第7ラウンド(7月21日=海の日)
来年は表立った活動はしないつもりだから……(本文より)
海の日なのになぜか酒の話にはずむご両人。今回は上半期の総括、
そして下半期の展望
そして永澤学人の口から爆弾発言が……!!
今回のリング:和民 大久保店
1992年に「時間、空間を楽しむ」新しいタイプの居酒屋として
「豊かで楽しいもうひとつの家庭の食卓」の基本コンセプトを掲げて出店。
お酒を飲むだけとか、お食事だけといった利用のしかたの区分けはありません。
というコンセプトらしいです。そんなことは関係なく人々はこの店で、
女性をくどいたり、ゲロを吐いたりとやりたい放題です。
タートル★ボウイが一人カウンターで飲んでいたことも有名。
詳しくは下記のホームページを読んで見ましょう、けっこう真面目です。
http://www.watami.co.jp/kodawari/kodawari.html
永澤(以下 永)「えーっと今日は何の日だっけか?」
久保(以下 久)「一応海の日ってことになってるけど……」
永「なるほど海と男が今回のテーマだな。俺、海っていうとやっぱりユウちゃん、あっ、雄三の方ね。若大将!お前、本当は裕ちゃんって言いたいんだろうけど認めません!北海道だから青大将、邦衛ね!」
久「うるさいなあ。黙って呑めないわけ?さっきから、キャッキャしすぎ」
永「俺のどこがキャッツアイ(注1)してるっていうの?」
久「そんなボケにも俺、これからは反応しないからね」
永「全く三十路(注2)になると、これだからなっ。そこらへんの豊富ってないの?」
久「そうねーっ、よく三十から四十は(時間が経つのが)速いよとか言われるけど、どうなのかなあ?」
永「でも基本的にそれって日常の生活パターンが同じ人ってそうなんだよ。だから老人とかよく言うじゃんそんな話」
久「俺、それは大丈夫だと思うよ」
永「そうだよ。俺達けっこう波瀾万丈してるからさ」
久「ちょっと、同類扱いしないでよ。俺、そこまでラフな生活送ってないよ」
永「暇さえあれば、呑んでるコト自体かなり荒っぽいと思うけど。俺に言わせるとさすが中卒って感じ?」
久「(思いっきり無視して)そう考えると上半期も速かったような」
永「自分的に上半期はどうだったの?」
久「そうだねっ?上半期か。ちょっとプライベートでいろいろなこと(注3)があって、自分のやりたいことがあまりスムーズにいかなかったかなあと・・・」
永「そう」
久「でも、すべりこみでペイジ(注4)も六月にライヴが演れたし、それはすごくよかったかなあっ。自分どうなの?上半期は?」
永「うん俺の場合は順調なすべり出しの1stステージ(注5)っていうか、そんな感じの飛ばし方だったかな、2ndステージもこの調子で行くけどね。ベガルタ仙台(注6)が調子悪い分もね」
久「学人的なナビスコカップはないの?」
永「ナビスコカップは予選敗退って感じかな!」
久「なんでさ?(真顔で話す学人に半笑いしながら)」
永「ほら、主力選手出てないからさ!」
久「っていうか、君でいうところのナビスコカップってなに?」
永「そんなことぐらい、もう大人なんだから自分で考えろよ。全くいつまでも甘えてんなよ!それよりも上半期の一大ニュースって聞かれると、やっぱり結婚(注7)かな」
久「そうだね」
永「これで俺も妻帯者だからさ!新婚旅行にも行ってきたしね」
久「あんまり興味ないから、深くは聞かなかったけど、どこに行ったの、新婚旅行は?」
永「興味がないってどういうこと?お前が最近、竹内力主演のVシネ(注8)ばっかり観てることばらすぞ」
久「よくそんな適当なこと言えるなあ。ツっ込む気にもなんないよ」
永「まっ日本海を見に行ったんだけど」
久「なんか渋いとこ行くね?ホントに新婚旅行だったの?演歌ツアーだったとか」
永「全然だよ。それで〈あっ海はいいな〉と思ったね。ほら俺、小学生の時スイミング通ってたから、やっぱ海って好きなんだよねっ!」
久「はっ、付き合い長いけど初耳だなっ。イトマンスイミングか?」
永「ツッピンスイミングってとこなんだけど」
久「えっ、ベッピンハイスクール?(注9)」
永「ちょっと、三十路になるとそんなネタもリアルに聞こえるからやめてよ」
久「……」
永「夏に虎福インターナショナルでも海合宿(注10)するけど、やっぱり海はよかった」
久「虎福のイベント的に言えば、五月に高尾山に登ったよね」
永「そう。久しぶりに山に登って、やっぱり俺って山が似合う男だと思ったけど」
久「ちょっと待ってよ。さっきは海で今度は山が似合う?いったいどっちなの?」
永「ちょっと!俺、八木山(注11)生まれだよ。しかも町名は松波町だから、海も山も好きなのは当然でしょ」
久「なんかうまくごまかされているような気がしてならんな」
永「お前の場合、海か山かっていうより、谷って感じじゃない?」
久「なんで俺のどこが谷なの?」
永「まっなんていうか、人生の谷間!」
久「ちょっとブラック過ぎで笑えないよ。もうちよっと飯島直子のやすらぎパーカー(注12)ぐらいにつつんでよ」
永「そういえば、お前、四月に引越しなかったっけ?」
久「あっ!そう。長年住み慣れた中野を離て、今は初台に住んでるんだけど、風呂無しのアパートに・・・」
永「えっ、間取り前より狭くなってんじゃないの?J2降格じゃない?」
久「俺の大好きなきーちゃん(注13)も引退しちゃったからさ。っていうか、俺の場合はファームって言ってよ」
永「っていうか登録抹消でしょ。人生の」
久「ちょっと子供やレディもこれ読んでるんだから、そんな言い方止めてよ。俺のイメージ崩れちゃうじゃん」
永「どんなイメージがあるの。俺にはルー大柴にしか見えないんだけど?」
そこんとこの
ケジメはつけたと思うね
久「そういえば、この前のライヴ(注14)はどうだったの?」
永「極まってたよ、久しぶりに楽しかったし。でも、ある意味一種の卒業だったのかもしれない」
久「衣装がマトリックスだったってことに気が付いていないオーディエンスも結構多かったらしいよ」
永「そうみたい。気志團って言われたからさ」
久「だから昨日木更津行ってきたの(注15)?」
永「っていうか、一回は昔のメンバーのMSGやノブ(注16)と一緒に演んないといけないと思っていて、そこんとこのケジメっていうのをつけたんじゃないかっていうのはあったね」
久「ふーん」
永「あのメンバーでっていうのも、そう何回演れるってわけでもないし……、みんなそれぞれに音楽活動してるからさ、久しぶりになっていうか肌を合わせてみて、みんなの成長の度合いもわかったし、なんかあれは特別な夜だったね。---THE
NIGHT---って感じだった」
久「はっ?尾崎?」
永「そんな感じだったから、お客さんも考え深いものがあったんじゃないのかな(かなり遠くを見ながら)。特に狡助(注17)なんかを知っている人なんかは。ただ……」
久「ただどうしたの?」
永「MSGがギターソロの時、ガーッて前に出てきてハッスルしてたんだけど、ホント転んでばっかりいたからなあ」
久「演りなれているのに。(注18)使用したギターがいつも使っているヤツ(注19)じゃなかったからじゃない?」
永「そうでもあるかもしれないけど、三十代っていうのはけっこう マンネリ化してしまう年代かもしれないんだよね。スタイルとかが固まってきちゃって。まっもちろん培ってきたものを生かすってのはもちろんなんだけど」
久「なんか急に話変わってきてない。でも、そうだよね。なんか凝りかたまんなくてもイイ年齢ではあると俺も思うな」
永「いろんなことに挑戦して形を変えていくのも人生を通して大切なことだと思うよ」
ファンが家に来て第一声
「うわっ酒臭い!!」
久「そんな感じでいくと、下半期はどんな感じで行くつもり?」
永「まずは、カバーアルバム題して〈ロックンロール〉でしょ。あとはできればライヴを二本演りたいなと。年末にでかいの一発演るのは決めてるんだけど、その前にも……」
久「八月に久しぶりのアコースティックセットでのライヴがあるらしいけど」
永「そうだね、それも久しぶりだからね。そっちのほうもイイっていうオーディエンスも少なくないからねっ」
久「それ誰?」
永「あと来年は、表立った活動をしないつもりだから!」
久「えっ、ちょっと速くもセミリタイア発言?」
永「音楽活動からちょっと距離を置いて、自分を見つめ直すっていうか、その自分と向き合うっていうか……、もうそんな時期に来てるんだと思うんだよね」
久「じゃ、桑田佳祐(注20)的でいう〈稲村ジェーン〉ってことで映画つくるしかないんじゃない?」
永「その前に子造りもあるしね」
久「奥さん知ってるだけに、またしてもリアルだなあ。まっ男生まれたら〈タカシ〉って付けないでよ」
永「当たり前じゃん。そんな名前付けたら、単なる酒呑みになっちゃうからさ」
久「ちょっと、全国の〈タカシ〉敵に廻しかねない発言だね」
永「しかし、今回はなんで和民なんかで、この対談やることになったのかな?」
久「俺、最近呑みの原点に帰ってチェーン居酒屋にはまってるんだよね」
永「そのわりには、一ッ気のかけ声聞こえないんだけど?」
久「一ッ気?古いな〜っ、ていうか懐かしい」
永「ちょっと待ってよ!居酒屋って言えば、一ッ気でしょ。居酒屋っていうとうるさいイメージがあるけど、ここはやけに静かだね」
久「そう言われて見れば、学生もぜんぜんいないし……夏休みだからかな?」
永「ちょっと、今気が付いたんだけど、客、ほとんど韓国人じゃない?」
久「っていうか店員もか?」
永「〈半笑いで〉さっさすが大久保」
久「でもさ、いつからこんなに呑むようになったんだろ?」
永「俺は、正直酒呑めなかったんだよね。でも東京出てきて人恋しいときとかあって……」
久「誰かにしがみつきたくなったりとか」
永「それで昼間にあたりめをしゃぶったりしてたら、缶ビールとか呑みたくなって……」
久「昼間から缶ビールとあたりめ?それ酒呑みの1クール過ぎた人の呑み方じゃない?はじめはおいしさとかもわからないで、ノリとかで呑みはじめて、その次のステップでそれにいくのが普通じゃない?」
永「それで一回、昼間からビールたらふく呑んでたら、狡助のファンが家までやってきて会ったら〈うわっ酒臭いって〉言われて!」
久「うわっ、それ十分に解散した理由のひとつになってるよ。ファンも離れてくよ。でも旨いときは旨いからねっ。これからの季節ビールは嫌でも進むねっ」
永「旨いもんはしょうがないからさ。俺は基本的にビール党だし、アメリカものよりジャパニーズ、特にワンスターかなっ」
久「じゃ今度の虎福のイベントでビール工場見学行くしかないんじゃない?」
永「それも良いけど次回はビアガーデンで対談じゃない?」
久「俺、バドガールがいるとこが良い!!」
永「この対談の読者も呼んで公開録音だな。参加者募集、詳しくはホームページで!」
二〇〇三年 七月二十一日(海の日)
注釈〈という名のウンチク〉コーナー
注1 ▼言わずと知れた北条司と杏里の出世作。コミックの最終話が意外と感動的な話なので読んでみよう。
注2 ▼久保は七月十二日で三十歳になった。
注3 ▼ほんとにいろんなことがあったらしい。詳しくは本人と差しで呑むと話してくれるらしい。
注4 ▼久保がドラムを担当するロックンロールバンド。他にメンバーは詩人ベーシスト長田充生、幸せヴォーカルギター山田直記。
注5 ▼今期の1stステージ優勝は岡ちゃんよろしくFマリノス。
注6 ▼学人はこのチームにかなり入れ込んでるらしく、関東圏のゲームには惜しみなく足を運んでいる。が、しかし勝てない。
注7 ▼交際七年目にして五月八日、めでたくゴールインしました。
注8 ▼こんなコトを言っているが久保はVシネを観たことがないらしい。
注9 ▼この手のボケに反応してくれる人が少なくなってきたと久保はボヤいている。
注10▼八月十六〜十七日に開催される虎福インターナショナル今夏最大のイベント。
注11▼学人の実家は仙台市の八木山松波町というかなり乱暴なネーミングの町。東北人なら誰もが知っているベニーランドの近く。
注12▼ごぞんじコカコーラ社のコーヒー飲料ジョージアのプレゼント商品。姉妹品をとして〈がんばってコート〉があったことはあまり知られていない。
注13▼氏名 北澤豪。愛称 Keyちゃん。血液型 B型。星座 獅子座。職業 フリーター。
注14▼七月六日に渋谷のライヴハウス乙にて、学人は久しぶりに^バンドセットのライヴを行った。詳しくはホームページにて。
注15▼対談の前日、二人は館山方面に合宿の下見にドライブに出かけ、そこで食べた磯ラーメンは旨かった、八百円なり。
注16▼現在MSGは自身のバンドMSGを。ノブはnoblynneとしてソロ活動をそれぞれ行っている。
注17▼この対談でも良く出てくる伝説のグループ。99年に解散幾度のメンバーチェンジを行い転がり続けた。最終メンバーは学人、MSG、ノヴ、タートル★ボウイ。
注18▼MSG氏はそこのライヴで定期的にライヴを行っている。
注19▼メインギターはギブソンの335であるが、今回のステージはギブソン(byオービル)SGを使用。
注20▼言わずと知れたサザンオールスターズのヴォーカリスト。七八年、シングル「勝手にシンドバッド」でデビュー。ハイテンションなサウンド・アレンジに、早口でまくしたてるハチャメチャなヴォーカルスタイル。学人は、かなりリスペクトしているところがあるとかないとか……。
第8ラウンド
虎福は永久に不滅だから……(本文より)
前回の予告通り今回はビヤガーデンでのタウンミーティング。
虎福インターナショナルの展望、要望などを熱く語り合う趣旨だったが
アルコールの入ったメンバーは思い思いに胸の内を語り始める・・・・。
今回のリング 新宿京王デパート屋上ビヤガーデン
夏といえばビール。ビールといえばビヤガーデン。
ということで選ばれたのは定番中の定番デパート屋上ビヤガーデン。
お約束で大ジョッキ&枝豆&フライドポテト
ステージではウイグルの民族舞踊ショウが行われていた。
今回のパネリスト
アボチ
学人の大学時代の同級生。狡助時代も含めてライブにもかなり足を運んでいる。虎福企画の「夏合宿」にドライバーとして参加。夜の部でイキナリ泥酔してしまった汚点を払拭すべく参加。カロリーを気にして揚げ物を口にしなかった。
ミッチ
虎福インターナショナル総務係長。GMや相談役も在籍するペイジのベーシスト。虎福のイベントの企画担当でもあり、今後の展開についての提案・展望を語るために参加。
トミー
メルトーンのリーダーでギター&ヴォーカル担当。学人とは狡助時代からの音楽仲間。狡助、GMともイベントを経験。お互いにシーンを盛り上げていこうと語り合う同志でもある。虎福インターナショナルの今後の展開に大いに興味を示し参加。
ミユキング
狡助時代に対バンで知り合った「モンキーフィンガー」(ノブリン在籍)のマネージメントを司る「オフィスモンキ−」の代表。ニューヨークへの留学経験もあり国際人として、虎福インターナショナルの海外進出への期待を胸に参加。多忙のため途中参加となる。
久保(以下 久)「えー今日は皆様お集まり頂きまして有り難うございます」
永澤(以下 永)「ソコントコ踏まえてカンパーイ」
アボチ(以下 ア)「早速で悪いんだけど、俺あの日ホント疲れてて何も覚えてないんだ。何があったのか詳しく教えて」
一同「……」
久「ちょっと待ってよ、今回はアボチのダメ出し大会じゃなくてタウンミーティングなんだけど……」
永「そうだぞ!誰もお前の秘技についてなんか聞きたくないぞ」
ア「じゃあ、聞くけどそもそも虎福インターナショナル(注1)って何?」
永「よく聞いてくれた、虎福っていうのはもともと仙台で始まったんだよね。『平成アングラ通信』(注2)っていう地元のインディーズのアーティストのオムニバスカセットを作るのが目的でさ。俺、ミニコミとか自主制作とかって凄く興味があって自分たちでもそういったレーベルみたいなものを作りたかったんだよね」
ア「知ってる知ってる『アングラ通信』でしょ。俺持ってるよ」
久「最初は『デモクラシック通信』っていう名前だったよね」
永「そう虎福も最初は『虎福企画』って名前だったんだけど、ニューヨークに行った知り合いが向こうでも広めてくれるって言ったんでね、そんじゃやっぱ世界もターゲットにしていかないとと、これからはグローバルだぞと、という意味で『インターナショナル』を付けたんだ」
久「そう考えると結構長いよね」
永「1992年に立ち上げたから去年で十周年だね。最初は主に狡助とマッツヲと俺のユニット(注3)やらソロの音源を収録しててね、それからいろんなネットワークが広がっていったんだ」
ア「相談役は最初から絡んでたの?」
久「音楽的にいうと高校時代に『タバスコノイローゼ』とか『ヘルメッツ506』(注4)とかで一緒に活動したけど卒業してからは別々だったからね。活動内容なんかは欠かさずチェック入れてたけどある意味第三者的、客観的に見ていたというか……」
永「そうだね。こうやって呑んだりするようになったのってお互い東京に来てからだからなあ」
ア「ところでメルトーン(注5)ってプログレだよね?」
トミー(以下 ト)「……。ジャンルって特に意識してないけど、確かにプログレッシブな要素もあるけどね。」
ア「じゃあカオス系か??」
ト「……。音楽っていうのはさコンセプトがなくては意味がないと思うんだ。メルトーンのは創造っていうのが基本。そこが学人との共通点だね」
永「そうそう、シーンとかネットワークとかムーヴメントとかね。波紋みたいにさ、どんどん輪が広がっていくような感じでね」
ミッチ(以下 ミッ)「でもこの間ライブ見たけどメルトーンは着実にステップアップしてるよね」
永「特化している分強いよね。コアなファンをしっかり掴んでいるというか。この間なんてライブ会場トミーコール一色だったもんな」
ト「トミートミー騒いでたのって学人だけだろ」
永「だって嬉しそうだったじゃん」
ト「俺、音楽の話しか興味ないんだよね。だってその他に何話しすることあんのって感じ?俺なんかBBキング(注6)に直接タイピンもらったことあるんだから。俺は音楽好きだから音楽やるだけ。それ以外やりたくないもん!」
永「何駄々コネてんだよ。それ以外やることないだけだろ?」
ト「メルトーンはいろんな可能性秘めてるグループなんだよね。今年のハロウィーンのライブではでっかいこと企画してるから。例えばアルバム完全演奏とかね」
永「『ロックオペラトミー』とか?」
一同「やってやって!!」
ト「一応考えておくけど……」
ここでハプニング勃発。ビアガーデンのお姉さんが永澤・久保両氏が着ていたTシャツのプリント「TGU」を東京学芸大学と勘違い。自分も学芸大生だと話しかけてくる。
成り行き上、学芸大生と成りすました両氏。そこでアボチがお姉さんをセクハラ「俺は教育者だ」と言い張りながら学籍番号を聞き出そうと必死(聞いてどうする?)。一同ひいてしまう。トミーは合コンを打診する。
ア「健康っていえばアスファルトは体に悪いよ!ホントに」
ト「ちょっとこの人わけわかんなくなってるんじゃない。あそこのお兄さんにつまみ出してもらえば」
ア「俺まだ酔っ払ってない!酔っ払ってない!!でもやっぱり女ってずるいなあ!!!俺はこんなに頑張っているのに分かってくれない!腕がこんなに筋肉痛になるくらいやってたのに……。それに……」
ト「もうこの人ヤバイ……。酒に飲まれちゃお終いだよ……」
ア「俺、最近アルコールとサウナ依存症だから!」
久「じゃあ今からサウナ行って来れば?」
ステージで演奏していたウィグルの子供が興味深そうに近づいてくる。呼びつけて強
引に国際交流の図。アボチは必死に名前を聞き出そうとする(それがどうなる?)。
恥じらう少年(それもどうかな?)お決まりの写真撮影。そこでミユキング登場。
ミユキング(以下 ミ)「お待たせ!あれ、ちょっとここ硫黄の匂いしていない?」(注7)
久「この中に飯食べる時よく噛まない奴いるだろう?」
ミッ「俺じゃないぞ。だって毎日2錠チョコラBB飲んでるもん」
永「イキナリスパリゾートに来た感じだなあ。これってこのビアガーデンの演出かな?」
ト「ただ単に下水の匂いだろ?気分悪いから場所変えようぜ」
久「アボチはどうする?追いてく?」(注8)
ア「待って待って。俺はサウナと寝床があればどこでもついてくぜ!」
ここでエキストララウンドとして歌舞伎町のハブへ移動。理由はギネスの生を飲みたいかららしい。
永「ちょっと話が脱線しすぎだよね。改めてリスタートってことで」
久「カンパーイっ!!」
ミ「そういえばこの間『ミスターとんこつ披露宴』で学人グースカ寝てたよね?あれって結構失礼じゃない?」
永「ちょっとイキナリ横道……。一応金屏風の裏で隠れて寝てたんだけど……」
久「俺は、学人のソロアルバムのライナーずっと書いてたから分かるんだけど結構そういうとこあるよね」
永「???」
ア「そもそも虎福ってどういう意味なの?」
永「俺はもともと虎って動物が好きでね。虎って一年中繁殖期だって言われるくらい精力的じゃん?そのパワーにあやかりたいというのと、そのパワーで人々に幸せというか福を与えられればと思って命名したんだよね」
久「なんだ、俺今まで学人が寅年で福祉大に通ってたからだと思ってたよ」
永「確かにそれもあるけど、それだけじゃないよ、深いんだから。今までは殆ど俺一人で運営してきたんだけど、二年前くらいから新たに組織化してきてね、いろんなことにもチャレンジしているんだ」
久「音楽以外のイベントやったりとかそれなりに充実してきたよね」
ト「今までのことはさておき、これからどうするのか?ってのをききたいね」
久「下半期は表だった活動、世の中に出ていく活動を仕掛けていきたい。これだけのメンツが集まってるんだから。そのためにも役員はそれぞれ酒の量を減らした方がいいんじゃないかと。酔っぱらってばかりいる場合じゃないだろ?と」
永「お前だけだぞ、酒ばっかり呑んでるのは……」
ミッ「来月はバーベキュー大会もあるしね。ペイジはある意味……」
ア「アナコンダバイス!!クリス智子好きです!!アボチ的には有りでーっす」
一同「……」
永「ある意味、さっきも言ったけど虎福っていうのはコミュニティー、っていういかギルドなのかな?組合=ユニオンでも良いかも知れない。高いポテンシャルを持ったアーティストたちの権利というか存在を世に知らしめるものでありたいんだよね。その受け皿というか、窓口というか、発信基地というか。今後はパブリッシュカンパニーとして色々なアーティストの作品をリリースしていくんじゃないかな?もともとそういうスタートだったからね」
久「音源でも良いし、絵でも写真でも良いんだよ」
ト「でも音楽ありきなんでしょ?」
永「勿論、虎福はそこから始まったってやつだから」
ト「俺もメルトーンでそう考えているからさ。やっぱりリーダーである俺のヴィジョンが明確でないといけないしね。正直、俺は虎福よりもガクジンムーヴメントの今後の方向性に興味を持ってるよ」
永「虎福っていうのはブランドだからね。ステイタスやフラッグシップと呼べるように価値を高めていきたいね。でもさ、誇りは持ってるけど変なプライドは持ってないからM&A(注9)も考えてもいるよ。もっと素晴らしい環境があれば組んだり傘下に入ったって良いしね。ちっちゃな器でこだわっていても仕方ないし、井の中の蛙じゃしょうがないしね」
ト「唐突だけどさ、ビートルズ(注10)で一番何が好き?」
永「何だよ急に?」
ト「良いから良いから」
永「アイヴガッタフィーリングかな?」
ミッ「ドントレットミーダウン」
久「恋を抱きしめよう」
ミ「オールドブラウンシュー」
ア「俺もドントレットミーダウン」
永「で、自分は何なんだよ?」
ト「え、俺?……全部です!」
一同「……」
永「ちょっとこの紙面を無駄遣いするなよな!何一人で満足げな顔してんだよ!」
ト「ま、強いて言えば『ハッピネスイズアウォームガン』だけどね。俺この中じゃ一番お金ないです。でも大事なのは人間関係です。」
久「今度はいきなり何言い出すんだよこの男は…」
永「さっきの話に戻るんだけど確かに人間関係とかコネクションとか大切だよね。縦のつながり横のつながりを上手に相互利用していかないと。『俺が俺が』じゃあな、一人で出来る事ってたかが知れてるからね」
ト「じゃビートルズのアルバムで一番好きなのは?」
永「もう良いよ」
ト「じゃあストーンズなら??」
永「いい加減にしろよ」
ミッ「今回のタイトルって『トミー20000字インタビュー』(注11)で良いんじゃない?」
ト「俺はロックだよ。というか俺が一番ロック!」
永「それ、俺が前にこの対談で言ったよ」
ミッ「イイ顔して話してるよね。写メール撮ってやるよ」
ト「俺写真うつり良いよ。昔から格好いいモン!」
久「とんでもないナルシストだなあ……」
ミ「ところでミッチは何で別れたの?」
長「えっ、、そういうものはなるようになるしかないからね……」
ミ「私が別れたきっかけは『ガクジンタイムス』だからね」
久「え??ここでいきなりクレームコーナー??」
永「ま、参ったな……」
ミ「あと、言っとくけどバンド内恋愛禁止だから」
永「誰に言ってるんだ……」
久「じゃあミユキングもさ、来年の「夏合宿」に参加して浜辺で「シャウト」するしかないっしょ?」
ミッ「冬山でも良いんじゃない?」
久「でも夏合宿での浜辺『押忍大会』良かったね」
永「そうね、みんな何か吹っ切れた感じでいい顔してたよね。『押忍』に込められたそれぞれのメッセージというかさ」
ミッ「みんな押忍の中にストーリーがあったよね」
久「じゃあやっぱり冬山で『押忍』するしかないんじゃない?」
永「いや雪崩が起きたらやばいだろ、、、」
この頃アボチは完全に潰れてしまう。ハブ名物のモルトビネガーを鼻先や頭皮に垂らされてもピクリともしない。
永「じゃあさ、そろそろ良い時間だし、みんなに一言もらって締めようかな」
ト「今回の『永久対談』ユニオンに張っておくよ。十月はメルトン野外やるよ。全開ですよ!」
久&ミッ「やっぱりライブやりたいなあ」
み「コンタクトしてる人、止めた方が良いよ!!早死にするよ!」
ア「zzzzzzzzz」
永「なんかタウンミーティングというか単なる飲みになった感もあるけど今日は参加してくれてホント有り難う。これからも期待していて、虎福は永久に不滅だから!!!」
緊急告知!!
ガクジンムーヴメントVSメルトーン対バン決定!
今回の対談を経て二年ぶりにGMとメルトーンの対バンが決定した。
会場は原宿クロコダイル。
詳しくはホームページで!
注釈〈という名のウンチク〉コーナー
注1 ▼詳しくは右上のアドレスよりオフィシャ ルホームページへアクセス。
注2 ▼虎福インターナショナルが発刊していた自主製作カセットテープの名称。もちろん完全家内制手工業。
注3 ▼山之天気、M&M、MA-王などなど永澤のユニットの数はジミヘンのブート並の数である。
注4 ▼学人と久保が高校時代に組んでいた〈タバスコ…〉はパンクバンド、〈ヘルメッツ…〉は当時にしては斬新だったフォークデュオである。
注5 ▼トミー率いる言わずと知れたロックバンド。詳しいことはメルトーンオフィシャルホームページ www.meitone.net/
注6 ▼本名ライリー・B・キング.ミシシッピー州インディアノーラ生まれ。偉大なブルース・シンガーにして偉大なブルース・ギタリスト。ちなみにミユキングの名前の由来はここかららしい。
注7 ▼非金属。同素体を持つ事で有名で、斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄の三種
類がある。
注8 ▼この手の酔いつぶれは追いてくに限る。これ呑み会の鉄則。
注9 ▼企業の合併・買収の意。
注10▼この永久対談にほぼ毎回登場する二人のキーワード的バンドでもある。
注11▼音楽媒体〈ロッキンオン〉の得意技企画。久保曰く「あれってミュージシャンの憧れでもあるかな」
第9ラウンド(9月23日=秋分の日)
完璧手作り主義!かなりスローライフじゃない(本文より)
アフター0に車を飛ばしてやってきた六本木
眠気とともに話し出すネタは街のイメージとはほど遠い内容
永久対談的スローライフとはこれいかに……。
今回のリング:MOTOWN HOUSE2
東京都港区六本木3-12-6 六本木プラザB1F
スペース……テーブル席(60)カウンター(20)
スタンディングスペース有り
日本人よりも外国人の間で名の知れたポピュラーなショットバー。
毎夜、10時ともなると外国人客や若い日本人客でいっぱい!
もう、満員電車のような賑わいです。
モータウンハウスの名のとおり、モータウンサウンドだけでなく、音楽も充実。
この店に来ると学人は決まってマーヴィンゲイの曲をリクエストする。
永澤(以下 永)「っていうか、来ちゃったね!ギロッポン(注1)!!」
久保(以下 久)「別にそんな言い方しなくても……、なんか田舎臭いよ。ところで今回はなんで六本木なの?」
永「ちょっと、忘れたとは言わせないよ!」
久「はて?なんかこの街に思い入れでもあったっけか?」
永「俺達のかっての愛読書〈TVブロス〉(注2)で梅宮辰夫がインタビューでさ……」
久「あーあーっ。思い出した。そう〈若い頃六本木で遊んでたけど、六本木には結局なにも得るものがなかった……〉とかなんとかで」
永「そう!それで〈いま六本木で遊んでいる奴らにヘリコプターに乗って空から大声で‘お前らそこにいても何もないぞ’って叫んでやりたい〉とか言ってて、何年か前に二人でそれを確かめに来たじゃない!」
久「そんで学人がハードロックカフェでベロベロになったんだっけ。でもあれ以来来てないけど」
永「だって、なんか居心地悪いからさ」
久「なんだそれ」
永「そんなこと言ってるけど、お前的に六本木と言えばなにを思い出す?」
久「やっぱり最近できたからって訳じゃないけどヒルズかな!」
永「ちょっと、中卒まるだしコメントやめてよ」
久「そういう君はなんなんだよ!」
永「やっぱりJ-WAVE(注3)でしょ!俺の朝はジョン・カビラとクリス智子で覚醒してくるからさ。ま、ヒルズ絡みでもあるけどね」
久「ごめん、俺はバッキリinter-FM(注4)派だからさ」
永「お前サーファーでもないのに、波乗り情報聞いてどうすんだよ!」
久「別にサーファーじゃなくても聞くでしょ。っていうか俺、丘サーファー(注5)だから!」
永「それより、お前のラジオFM入るの?」
久「ちょっとかなり全国いや世界中の久保を敵に回しかねないコメントやめてよ」
永「J-WAVEと言えば、最近、クリス智子が番組の中で〈スローライフ〉っていうのをキーワードにしてるんだけど、やっぱり俺達三十代を迎える人間にとって、これからの自分の生き方を考えていく上で、この〈スローライフ〉ってイイ響きだと思うんだよねっ。そう思わない?」
久「俺の生活に縁のない感じだな。仕事は朝凄く早いし、飯喰うのもめちゃくちゃ早いし……」
永「そんな早飯だからオナラ臭いっていわれるんだぞ。よく噛んでないだろ!」
久「そう言う君はそこらへん、どうなの?」
永「俺は典型的なスローライフ送ってるよ。例えば、歌が歌いたくなったら、作っちゃうからね」
久「言ってる意味がよくわかんないんだけど…」
永「カラオケに行ってパッと歌うんじゃなくて、自分で詩を書いて作曲して録音してトラック作っちゃうっていう、この完璧手作り主義。これってスローライフじゃない?」
久「俺には単なる暇人にしか見えないんだけど。俺みたいな多忙な生活しているとついつい出来合いのモノとかで済ましがちなんだけどね」
永「なんかお前カップラーメンみたいな男だな」
久「ちょっとそれ教育的指導発言じゃない」
永「最近テレビとかインターネットとかで簡単便利な情報が多いけど、例えばネットとかで見てどっかに行った気になるとかより、実際その場所に足を運んだり、旅をしたり手に触れたりして、こう肌で感じるとか……」
久「俺が専門学校通ってた時の講師が、買い物に出かけるとついつい他の買う予定でもない物まで買ってしまうことが多いとか。でも、時々そんな中でも長持ちしてたり、ずっと捨てないで持ってたりするものがあるって。その話を聞いてすごく納得したんだよね。通販とか今ならネットとかで買い物ってできるけど、そういう偶然ってけっこう俺は好きなんだよね」
永「俺なんか最近思うのは、ビートルズ(注6)の〈恋を抱きしめよう〉って曲じゃないけど〈life is very short〉人間の一生ってすごく短いと思うわけ。だから、人間が一生の中でできることって、たかがしれてると思うんだよ。今の俺は寝ないで何かを成し遂げようってモードでもないしさ。もう三十にもなればあと人生も残り半分だしその間に自分は何ができるんだろうって考えた時せかせかするよりは、ひとつひとつをそのスパンの中でできればいいなと思うわけ」
久「俺なんかけっこうあれもやんなきゃこれもやんなきゃって感じだったけど、意識してる訳じゃないけど、最近自分の中でも選択肢の数は極力減らしているような気がしてきたよ」
永「例えば、あの人は車を買ったとか、あの人に子供ができたとか、そういう話になって気になり出すと、自分のペースが乱れるっていうか、次のポイントが狭くなってくるっていうか……なんか長い目で物事が見れなくなってしまうよね。あんまりのんびりしているのも、それはそれで困るけどね。人それぞれだけど」
久「のんびりとマイペースって紙一重だよね。スローライフってのも聞こえはイイけど……」
永「俺は最近精神的に凄く落ち着いてるね。それをスローライフっていうかわからないけど」
久「話を聞いてるとスローライフってよりもシンプルライフじゃない?」
永「そうかも、凄く自然体でさ。尖ってた時期を卒業したからか周りの状況なんかが冷静に見えるんだよね。年取ったのかな??」
久「俺もめっきりハートブレイクぎみだし……」
永「何だよイキナリ。それって恋バナ?」
久「最近、彼女とも会わなくなってきたっていうか会うタイミングがなくて。昔だったら、無理にでも時間作ったりしてたけど、この頃は〈まっ会わなくてもいっか〉とか思うようになっちゃってね。付き合いも長いし、そう考えればそんな時期もあるかなって。これ、かなりスローライフ?」
永「それは単なる男の言い訳意外のなにものでもないよ。けど、ロックスターとかでも何度も結婚離婚を繰り返してる人っているじゃん?」
久「えっ五月みどり(注7)?」
永「全然ロックスターじゃないじゃん。俺どっちかっていったら小松みどり派だけどね」
久「え、伊藤みどりでしょ?」
永「日本は高度経済成長があって、バブルがあって凄いスピードで発展してきたけど、日本人自体の成長ってそれに伴ってないような気がするんだよね。一杯大切な物を忘れたり、置き去りにしてきたような。今それをリセットする時期にあるんじゃないのかなあ?」
久「急にどうしたの?政治家にでもなる気?」
永「別にまんざらでもないね。もし俺が政治家になったらコンビニとか自動販売機を無くすね。もしくは凄い税金をかける。」
久「随分過激な政策だなあ……。何で?」
永「人間本来の生活リズムを取り戻すためだね夜は買い物するためにあるんじゃないよ。家に帰って家族と語らいゆっくり眠るためにあるんだから。コンビニがあるから高校生がエロ本立ち読みに夜な夜な出かけるんだよ」
久「それって自分の体験談じゃないの?」
永「自動販売機もそう、便利だけど雇用を減らしているし、コミュニケーションの衰退も招いているね。ま、こういう話題は『学人原論』(注8)で大いに語ってるから参照して」
久「スイマセン、レッドアイ下さい!」
そんな急がなくたってさ。
人が一人死ぬって訳でもないし。
永「しかし、なんで六本木って黒人がこんなに多いんだろ?」
久「大久保に韓国人が多いのと一緒じゃない」
永「だって外国人が多いってわけじゃないんだよね。黒人が多いんだよ」
久「〈東京アンダーグランド〉って本読んだんだけど、ほら六本木って……」
永「米軍基地があるからじゃないのかな。たしか「ハーディ・バラックス」とかいうやつ……」
久「よくそんなこと知ってるね。物知り博士って呼んでもイイ?」
永「っていうより、確実に昔の人よりも覚えきゃいけないコトって圧倒的に多いじゃん」
久「確かに便利な分だけ情報量も多いしね」
永「例えば、大げさなこと言っちゃうと、鎖国してた時は、日本のことだけ知っていればそれでよかったんだし……」
久「ワールドワイドな情報なんて入ってこないしなあ。ただ、さっきの話に戻っちゃうんだけど、回りがそんな話とかしてると、やっぱり気になっちゃったりするねっ」
永「だから、後は線引きをするのは自分なんだからさ、そこにもスローライフな気持って必要だよね。なんでもかんでも吸収してたら、その分だけ歳くっちゃうよ」
久「充分歳くってきてるんですけど。ちなみに君と出逢ってかれこれ、十五年以上(注10)経ってるのかな……」
永「そんななかでも世の中の感覚ってもの変わってきててさ、例えば農家の子供が農作業のことだけ知っていればイイって時代でもないじゃん。漁師の子供が魚のことだけじゃなくて、その魚には関係しているありとあらゆるコトまでもしらなきゃいけないような世の中だよね、現代は」
久「……難しい課題ではあるけど……実はみんなが忘れかけている部分ではあるのかも」
永「スローライフっていう言葉がタイアップしているのって、世の中的には〈沖縄〉って感じがするんだけど……まっ南国の人ってなんかのんびりしてるって感じるけど、東北人もかなりスローライフだよね」
久「そうだね。自分はそうでもないけど、住んでる人とかってのんびりしてる人多いかも。商品発注しても東京の業者だったら大至急ってところあるけど、あっちの人だと〈じゃあ一週間後になるね〉って、平気で言うもんねっ」
永「いいね、余裕だね」
久「ただその言い方とか雰囲気とかが、いやらしくないんだよね。のんびりやってますって感じじゃないんだよね。生活の流れがそうなんだっ
て感じがすごくする」
永「やっぱ、この街=東京=は顕著だよ。そんな急がなくったってさ。人が一人死ぬって訳でもないし。っていうか格好つけなんだよね」
久「ちょっと、眠いからって辛口すぎない?」
永「この街はその傾向が強いよ!確かに何でもあるし、出来るし、楽しいけどね。追っかけ回してるうちに時間忘れてさ、竜宮城みたいだよ」
久「それでいて『これからはスローライフです』的なことが呼びかけられてるって、なんか不思議だね。言ってるコトとやってるコト違い過ぎみたいな感じががして。なんかおかしいよ」
永「だから俺テーラーもしてるんだよ。そこら辺で一万円の吊しの背広パッと買っても良いけどそれじゃあ味気ないよね。生地から選んで、かたち決めてノンビリ出来上がるのを楽しみに待つ。ゆっくりとカウンターで飲むのと一緒だね。マスターとの語らいがあってさ。情緒があるよね」
久「でもお前たまに一気飲みしてるじゃん。それに昼はいつも牛丼だろ?それって究極のファーストフードじゃないのか?」
永「お前イチイチ細かいなあ。そんな奴とはスローライフについて語りたくない!!」
久「おいおい逆ギレかよ……スローなブギにしてくれよな」
永「俺はどっちかっていうと『スローバラード』だね。お、『セクシャルヒーリング』(注11)じゃん。良いねえ。最高のスローライフナンバーだ!」
久「何かどうでも良くなってきてない?でもさ……」
永「どうした、急にかしこまって?」
久「俺もかなり……牛丼好きなんだよね、ネギダクの」
永「俺は、ツユヌキ派だけどね!」
二〇〇三年 九月二十三日(秋分の日)
注釈〈という名のウンチク〉コーナー
注1 ▼六本木の略語。として使われていたのは遠い昔。今時こんな言い方するのは、永澤と世の役職が付いているような人種くらいなもんだろ。あっ、そう言えば、彼もCEOだっ。
注2 ▼〈テレビ雑誌。隔週水曜発売。東京ニュース通信社からでてるが非常に世の中ナナメにみてるスタンス。読み物として圧倒的におもしろい〉と説明されていたが、昔に比べたら、めっきりつまらなくなったのも事実。
注3 ▼コールサイン「JOAV-FM」、社名は「株式会社エフエムジャパン」。周波数は81.3MHz。一九八八年、東京・西麻布に開局。「モア・ミュージック、レス・トーク」というスローガンを元に徹底して音楽を流すと言う路線が話題を呼ぶ。この路線は数年で挫折。最近は喋りが多い。
注4 ▼周波数は71.6MH。毎日三百曲以上の音楽が聴ける日本で唯一の音楽専門かつ、外国語専門FMラジオ局。そのうちの九割が洋楽で、残りの一割が邦楽。最近は商業的な曲がかかる事が多くなってしまった。久保は数年前のプログラム〈チャンネルG〉という番組が最高に好きだったとか。
注5 ▼基本的にサーフィンをしていないのに、その風体を真似、何かにつけては「俺サーファー」などと女の子をナンパしている人を指す。類義語で〈丘ロッカー〉〈丘バイカー〉など。中には〈丘商社マン〉もいるので、オフィスレディの皆さんはご注意を。
注6 ▼毎回出てくるこの名。今回はプチエピソードを一つ。ビートルズが録音に参加した曲で初めて世に送り出されたのはトニー・シェリダンのバックバンドとして参加した「マイ・ボニー」で、クレジットは「トニー・シェリダン&ビート・ブラザーズ」だったとか。
注7 ▼本名 面高フサ子。サイズ 身長一五六センチ。B86 W62 H89 足袋 二二、五センチ 血液型A型
注8 ▼言わずと知れた二十一世紀のオピニオンリーダー永澤学人が定期的に発信しているソウルエッセイ集。来年、新書版として出版予定との噂。乞うご期待。
注9 ▼都心から西へ約四十キロ、武蔵野台地の西端に位置する、人口約六万弐千人の都市。地質は大部分が関東ローム層で、多摩川の低地は沖積土。
注10▼そうか、もうそんなになるのか〈久保談〉
注11▼アルバム「ミッドナイト・ラヴ」に収録されているマーヴィンゲイの不朽の名曲。
第10ラウンド
お前、ポケットの中に家族の写真入ってるだろ!!(本文より)
遂に実現!テクノロジーを駆使したハイテク対談。
マッキントッシュを使用したオンライン方式による顔の見えないチャット。
何ともアナログな二人に敢行できるのか、乞うご期待!!
今回のリングSTUDIO TELECOM(赤コーナー:永澤サイド)
1978年から日本のロックシーンとともに歩んできた由緒と伝統の練習スタジオ。
フレンドリーな店長?(永澤)とヴィンテージ感漂う雰囲気にノックアウトされるバンドマン多し。
喫煙・飲食何でもアリのバリトゥードワールド。
ときわ荘15号室〈久保自宅兼アトリエ〉(青コーナー:久保サイド)
渋谷区某所に存在する、相談役の自宅(1ルーム風呂無し、トイレ共同)。
外装はイッちゃってるが、内装はかなりいイケてると本人談。
理由〈わけ〉あって、ここに移り住んで、早半年。
その間に、数々のアートな作品とエロいドラムフレーズが創作されている。
【はじめに】今回の永久対談は二人のスケジュールがあまりにもタイトなので、イン
ターネットでの生チャット形式となった。そこらへんを頭に入れて以下の対談を読み
進めてもらいたい。
永澤(以下 永)「アーユーレディー?(注1)」
久保(以下 久)「えっ、ここで俺〈イェーイ!!〉とかって言わなきゃいけないわけ。っていうか、始まっちゃったよ。おいおい」
永「そんじゃイクゼ。献杯!!!」
久「そんなこと言ってるってコトは、ちゃんとビール片手に打っているんだろうな?俺なんか、一番搾りグイグイいっちゃってるけど、顔が見えないからって、烏龍茶飲んでるんじゃないのか!」
永「俺がそんな『明日朝一の仕事があるから』的冴えないリーマンみたいなコトすると思う?俺なんかスーパードライのタンクですよ。キンキンの奴。それにしてもお前書き込むのが遅いぞ!飯食べるのは速いくせに、さてはブラインドタッチマスターしてないだろ??」
久「ちょっと、俺こう見えて某放送局で字幕打つ仕事してたんだから、そのへんはかなりイケてるんですけど。しかし、話すのと違って言葉選んで話す……いや、打つから面倒くさいな。ところでそろそろ本題に入ったほうがいいんじゃないのかい?前回の六本木編(注2)、かなり好評だってきいたけどね。どうなのそこらへん?」
永「そうだね。やっと俺たちの思想っていうか啓蒙活動が浸透してきたっていう手応えは感じてるね。今回の企画だってパソコンの前で正座しながらお互いの書き込み待っている読者が沢山いるんだから(注3)気合い入れないといけないな。それとなんで今回は献杯で始まったかって聞かないのか?」
久「えーっ献杯、献杯なになに……〈相手に杯を差し出して敬意を表すこと〉ふむふむ、なるほど。おもわず広辞苑(注4)開いちゃったよ。そうか、そんなに俺のコトを尊敬してるとは。でも、格好イイって言われる方が気分がいいなあっ」
永「オイ時間かかりすぎだって!これじゃ終わるのは明け方だぞ。『朝まで生テレビ』じゃないんだからな。それに献杯してるのはお前にじゃなくて今月亡くなった俺の伯母さんと学生の頃にバイトしていた寿司屋の親方にだよ!今月は不幸が続いてね。当初の予定の十月一三日(注5)も地元に帰っていたんだよ。だから対談できなかったってわけ」
久「そうか。それは大変だったなあ」
永「どっちもイキナリお世話になった人だからね。死というものを久々に目の当たりにして色々と考えることもあるんですよ」
久「例えば?」
永「人間も生物だしいずれは死に行くものなんだけどその死に様というか、死に方というか。一体どういう最期が望ましいのか、自分はどうなるのかとかね」
久「最期はどうなるかなんてのは、日々の生活の中では、はっきりいってイメージしにくいコトではあるよね。そう言う自分はどんなイメージもってるの?」
永「俺の伯母さんは子供がいなくって伯父さんも三年前に逝ってしまって一人暮らししてたんだよね。仏壇の前に倒れて死んでいたんだって。隣のオバさんが夕方様子を見に行ったら冷たくなってたということなんだ。俺の両親も頻繁に通ってサポートしてたんだけどね。最期を見とれなかったということにショックを覚えているらしい。でもさ、入院して苦しんで薬漬けで死んでいくより、そうやってフッと生活を終えるというか命が消えるというかそういうのは理想かも知れないな。ゴッドファーザーの1とか3みたいでね。ちょっと待って、こうしているうちにベースボウルの書き込みの時間と被るんじゃないか??(注6)」
久「ゴットファーザー1(注7)の最後のシーンはおじいさんと孫の関係を凄くよく表現しているよね。でも、対外の人は苦しんで死んでいくような気がする。そのパターンで、自分の病気最後まで隠されたりするのって、俺いやだなっ。実際そうなってみないとわからんところでもあるけどね。しかしテレコムなんかで書き込んで、このまま帰れなくなってしらんぞ!!」
(十分後)
永「心配ご無用、今はもう家に帰ってきてます。つーかでも一時間経ってこの進みよ
う、ちょっとやばくないか?」
(三十分後)
永「ツーかお前、寝てんのか?寝てっつぉ初台!起きろよ--!!」
(更に十五分後)
久「やばっ、まじウトウトしてたわっ」
と、かなり途中までは順調に進んでいた画期的業界初(?)の掲示板を利用しての生対談だったが深夜だったのと、ビールの酔いが思いの他早かったことが原因となり、久保が思わず寝てしまうという事件が勃発!翌日、久保は永澤に呼び出しをくらい、こっぴどくお灸を添えられるコトとなった。
これから以下の部分は、そのときの模様である。
永「お前、まずは読者のみんなに詫びいれないといけないんじゃないのか!」
久「詫び入れたらサビもいれないといけなくなるじゃん!」
永「面白くないよ」
久「ところで何の話してたんだっけ。ゴットファーザーがどうしたこうしたとか……」
永「人間はどんな死に方をするもんなのかって話だよ。そうだなお前はソニー(注8)だ」
久「えっ俺料金所で殺されちゃうんだ!嫌だな、せめてフレド(注9)にしてくれよ」
永「昨晩もふれたけど、今〈自然死〉っていうものも望められいて、でも大体の人間がやっぱり何らかの病におかされて死んでいくんだけど。そう最近は死ってことを見つめるようになったね」
久「我々の対談も前回といい、今回といい内容が成長してきてるね」
永「そうだね。まっ、男の成長って意味でもそうなっていかないと。男が成長していくコトって、例えば〈家〉を建てるとか……。そうだなっ、俺的には安住の地ここに腰を落ち着ける的な」
久「まさに英語でいう〈HOME〉だねっ」
永「そう。〈ふるさと〉っていうか、最後に自分が死ぬ場所っていうか。家を買う時なんかそんなコトをイメージして購入するとか」
久「普通そんなヤツいないよ!」
永「次に〈子供〉かなっ。自分の子供っていうか子孫を残すコトで、男はグッと成長するよね」
久「自分もまだ子供みたいなところあるくせに」
永「あとは〈親と死別する〉ってこと、そして葬式で送り出す。そう、自分を育ててくれた人をあの世に送り出すってコトで、男の成長の三本柱が成り立つ。そう、名実共に本当の男になるんじゃないかな?と俺は思うけど」
久「話がかなりヒューマンだね。俺じゃなくても読んでる人寝ちゃうんじゃない?」
永「(久保の話あまり聞かず!)あと、男が成長する上で〈生死をさまよう〉っていうのもあるかもしれないね」
久「はっ?」
永「昔の人でさ、戦争から帰ってきた人なんかは一味 違うと思うよ」
久「ちょっと、今徴兵令(注10)でたら、立候補しちゃう勢いだね」
永「ちょっと違うかも知れないんだけど、なんか出家と似てるっていうか。男と女が違うって思うのはそんなところにあるような気もする」
久「っていうと?」
永「女は子供を産んだ時点で一人前っていうか」
〈絆〉が深まってきてるんだよ。
永「そうやって男も女も成長していって、今度は〈家族〉ってモノが出来ていくんだよね」
久「ちょっとかなり大河だね。そんなに語るんだったらお前の言う〈家族〉って何?単に、携帯の家族割引したいだけじゃないの?」
永「ちょっと失礼なコメントだな。まっそれも一つにあてはまってるのは嘘ではないけどね」
久「それにお前さては最近長渕聴いてるだろ!」
永「ちよっと、まじめな話してるんだから、ちゃかさないでよ。そういうお前の〈家族〉ってなんだよ。ポケットの中に家族の写真とか(注11)入ってんじゃないのか!」
久「しかも兄貴に肩を抱かれてたりとか……。でも俺、家族四人で最近撮った写真かざってるよ。なんかイイもんだよ。不思議だったのは、別に意識して撮ったわけじゃないのにみんな笑って写ってたってのがけっこうおかしくて。こういうコトって家族なんじゃないのかな。最近思ってきたのは、歳がそうなってきたっていうか、〈親〉とか〈兄弟〉とかに対するスタンスが確実に二十代前半の頃と違って縮まってきてるっていうか……」
永「〈絆〉が深まってきてるんだよね。そういうのって、親元離れて親のありがたみを知るとか、親になってみて親の大変さを知るとか」
久「俺なんか、オヤジがガクンってきた時、けっこういろんなコトを真剣に考えたけどね。実家が札幌だから母親一人にはしておけないなあとか……。でも父親っていうのは、そのガクンって姿を見せたがらないんだよね。いつまでも息子より娘より強い人間でいたいっていうか。ちょっと強がりなとこもあるんだけど」
永「もちろんミスチルの〈つよがり〉聴かせたんでしょ?」
久「いや〈逃亡者〉(注12)聴かせたけどね(笑)」
永「まっ俺もこれから〈家族〉を築いていく上でどういう家族を持つっていうか……」
久「〈家族〉って言われて、どんなコト想像するの?」
永「そうだなあ。でも、年寄りのいる家庭で生活できたことはすごくよかったと思ってるよ」
久「祖父祖母ってコト?」
永「まっ婆ちゃんなんだけど。年寄りと生活するっていうことは成長面においては、凄く良いことだと思えるね。核家族だなんだっていって、子供とかも一人いるかいないかって世の中でしょ?俺なんて五つ子ちゃん目指してるけど……」
久「それ奥さん公認?トータルでじゃなくて、一気に五人ってこと?」
永「当たり前です。子供は自分達の許す範囲で出来るだけ作りたい。兄弟のつながりって凄く大切だからね。要するに友達じゃない、なんて言うか切っても切れない歳の近いヤツっていうか……。だから遠慮もしないしさ。そして兄弟がいるということは後々従兄弟ってものができるわけだからね。これもすごく大切なことだと思う」
久「そしてそれがどんどん枝分かれしいって、それがファミリーになっていくんだよね」
永「一人っ子にすごく愛情を注いでなにかを残すのもありかもしれないけど、その兄弟がいるってコトはそれ以上の愛情だと俺なんかは思うんだけどね」
久「子供達が初めて外の世界っていうか社会に触れるのって幼稚園とか保育園だったりすると思うけど、兄弟がいればその環境に触れる前に身内であっても、自分じゃない同世代の人間に触れられるっていうか……」
永「一人ッ子だと、常に母親と一対一になっちゃってるから集団生活に溶け込みにくいケースって結構あると思うんだよね。その点でも、結婚して子供-兄弟を作ることって大事なんだよ。女性や子育ての事を考えても早めの方がいいだろうね。でも、ポールマッカートニーみたいなヤツもいるからね(注13)。ほどほどびっくりしちゃったよ」
久「これ以上タレ目の人口増えちゃまずいんじゃないの!」
永「ほんと!フランクドリル(注14)だよ!!」
久「なに?それペイジのヴォーカルのコト言ってるの?」
永「確かに似てるけど……。話戻して、まず子供が産まれたら、すぐベガルタ仙台のユースに入れてチチローよろしくで小さい頃から英才教育でいくからねっ!」
久「なんか鼻息荒いけど、楽器やらせるんじゃないんだ?」
永「まっそれもあるけど」
久「ちなみに自分サッカー経験は……」
永「(キッパリ)ないよ!」
二〇〇三年 十月三十日(金曜日)
注釈〈という名のウンチク〉コーナー
注1 ▼ここではフジテレビ毎週土曜の最悪トーク番組の名ではなく、準備はいいかの意。
注2 ▼前回の内容はスローライフについて語っている。詳しくは永久対談第9ラウンド参照。
注3 ▼久保はホントに永久対談に読者がいるのかと疑問に思っていたが、けっこう会う人に読んでるよと言われ、まんざらじゃない気持になっている。これは本当の話。
注4 ▼術専門語ならびに百科全般にわたる事項・用語を収録した国語辞典。
注5 ▼この日は体育の日。基本的に永久対談は国民休日に行われている。
注6 ▼虎福の掲示板に毎晩のように彼は書き込みをしている。その特徴は、基本的に自分のことばかりで、人にレスしないという一人東名下り方向的内容となっている。内容はともかく、ほぼ毎晩書き込んでいるという一点に、永澤は感心している。ちなみに対談が行われていた時間帯が彼の書き込み定時だ。
注7 ▼意外とちゃんと観ている人が少ないこの作品。永澤のフェバリットでもあるこの作品をちゃんと観たことがなかった久保は、永澤からDVDセットを借りてあらためてこの作品すばらしさを肌で感じたらしい。観てない人、すぐに観るべし。
注8 ▼ゴッドファーザー1において、彼の死ぬシーン(通称蜂の巣ダンス)はあまりにも衝撃的かつ有名である。
注9 ▼コルネオからドンの資質を何も受け継がなかった次男。重要な仕事には一切関らせてもらえなかった。ファミリーを裏切ることに。母親の死後、湖で粛清される。
注10▼明治六年(一八七三)に公布された徴兵に関する法令。
注11▼尾崎豊の楽曲〈誕生〉にこの歌詞が出てくる。ちなみに永澤の尾崎フェバリットソングはこれである。永久対談第6ラウンド参照。
注12▼ミスチル屈指のバラードソングは〈つよがり〉(永澤談)だが、〈逃亡者〉は久保がフェバリットしているミスチルのドラマー鈴木英哉が歌っている。。
注13▼今回も登場のビートルズ関連。今回は六十歳を越えても子供を創っている彼って凄いなっの意。ここで恒例のビートルズ豆知識コーナー。ポールは名曲〈イエスタディ〉を夢の中で作曲したらしい。マジかっ。ちなみに、ビートルズって単語が広辞苑に載っていることみんな知ってた?
注14▼退役軍人。平和のための退役軍人会(VFP)の会員。反戦・平和活動家。ロスアンゼルスに妻と娘と在住。英語版『戦争中毒』の出版者。
第11ラウンド
冬の星座ってセンチメンタルなものが多いねぇ……(本文より)
前回に続いて国民休日に開催できなかったこの対談。
危うくカラオケボックスで決行されそうになった今回。
が、しかし、内容は今まで一番と思われるほど、熱く語ってます!!
今回のリング
サイゼリヤ 大久保店
生活の基本である衣食住どれをとっても世界的なレベルからすればまだ低い
のが現実。とりわけ「食」に関しては、確かに世界各国の高級料理が食べら
れるようにはなっているが、値段が高くて、非日常的なものになっている。
そんな日本に、本当の「食」の豊かさと、日々の暮らしの中で手軽な値段
で好きな料理を楽しめることと提供しようと、世界中から良い食材を直接仕
入れ、健康的なおいしいイタリア料理でもてなすファレス。
たしかに、値段は鬼のように安い。
永「えーっと、ボジョレーヌーヴォーお願いしマース!」
久「おいおいメニューに載ってないぞ」
永「何だよ!ヌーヴォー解禁だっていうのに仕入れてないなんてそれでもイタリアンの店かよ!」
久「つーかムキになってるけど、ボジョレーヌーボーってフランスじゃないのか?ここフレンチの店じゃないぞ。それにお前ボジョレーヌーヴォーってキャラかよ?」
永「え、知らないの?俺って結構シティボウイなんだぞ。中学の時からメンズノンノ買ってたし愛読書は『何となくクリスタル』なんだけど」
久「ちょっとかなり初耳なんだけど……。県知事とかに立候補しようとしてない?」
永「ゆくゆくはね、政界進出も視野に入れてるよ。マスコットは『ガッシーくん』かな」
久「それって単なるパクリじゃん!いい加減にしろよな!!」
永「すいませーん、生中二つ!」
久「解禁っていえば『レットイットビーネイキッド』出たね」
永「お、良いポイントついてるじゃん。芸術の秋だからな。てっきりお前広瀬香美聴いてるのかと思ってたよ。ブックオフで買い込んで」
久「何でだよ……。それにどっちかって言うとユーミンの方が好きだぞ」
永「ま、別に良いんだけど。『ネイキッド』は案の定良いね。俺の場合ブートで結構聞き込んでた音源が多いから新鮮味はないけど、音がクリアだしね。バンドの息遣いというか四人の生々しいリアルさが感じられから。毎回言ってるけどビートルズってのは怪物だよな」
久「改めて聴くと『レットイットビー』良い曲多いね。ジョージの『I ME MINE』なんて再評価だよ」
永「バンドの状態としては最悪なんだけど、腐りかけた果物みたいな紙一重の甘さって言うのかな。マイナスも力に変えるというか、恐ろしい男達だよ。特にこの頃のジョンとポールの絡みが絶妙なんだよなあ。おそらくジョンが生きていたらまた一緒にやってたと思うよ。ヨーコがいたって男・仕事・ユニフォームだから」
久「あとリンゴのプレイも見直した。良い!!早速リンゴが表紙のドラムマガジン買おうと思ってるもん」
永「そんなら森高も聴かないと。今からブックオフ行って来れば」
久「ビートルズが出たついでにいうとストーンズはどうなの?」
永「お、何か今回『ロック談義』してるなあ。良いね、大いにバンドについて語っちゃう?ビートルズが怪物だとするとストーンズは妖怪だね」
久「なんだそれ?」
永「顔がっていうか、何だかんだいってまだ転がってるもんね。ビートルズは伝説だけどストーンズは歴史だよ。殿堂だね、ギネスブックだね」
久「不和説があったり、メンバー死んだり、ソロ活動したり、脱退したりしながらもちゃんとバンドの活動は続いてるもんなぁ。凄いよね」
永「帰るバンドがあるから、みんな思い思いの事ができているのかも知れないけどね。ミックとキースのコンビって現役の中では最強かも知れないよなあ。新曲なんてどうでも良いじゃん、いくつになってもサティスファクション歌ってくれてれば良いんだから」
久「その点演歌の歌手と似てるよなあ」
永「そうだよ演歌は日本のロックだぜ」
バンドに限らず組織って
バランスなんだよね。
久「学人にとっての理想のバンド像って何?」
永「そうだなあ、日本だったらラフィンノーズだね。メンバーチェンジ期があってブレイクして、トラブルが起きて、メンバーの脱退があって、解散があって、ソロ活動があって、復活してと、一巡りしてなおイカシタパンクロッカーで精力的に活動してるもんね。乗り越えたバンドって強いと思うよ。重く背負ったものも感じさせないし、格好良く転がしてるね。サザンやミスチルも好きだけどあっちはあまりバンドって感じがしないからなぁ。個人が強すぎるし。バンドってメンバーのベクトルが一致している時って個人では出せないようなパワー発揮するからさ」
久「三人集まれば文殊の知恵じゃないけどね」
永「ボウイも卓越したバンドだったね。それぞれのポジション、キャラクター、計算しつくされていてカンペキに近いバンドだったかも。だから行き詰まって解散したんだろうね。復活劇も見てみたいけどあれはあれでレジェンドとして残る二十世紀最強のロックバンドなんだろうね」
久「再結成ってして良い場合とイマイチな場合ってあると思うんだ。俺の観点だと再結成は全メンバーが揃うということが条件かな」
永「確かにツェッペリンとかはしてないね」
久「フーみたいに小粋なメンバー入れてっていうのならありかもしれないけど」
永「なるほど、でもさオーディエンスがそのバンドに何を求めているかってのがポイントじゃない?例えばさっきの例で言うとミックとキースがいればほぼストーンズは成り立つと思うんだよね。逆に桑田佳祐一人でも桜井和寿一人でもありかも知れないとも思うんだ」
ビールのお代わりに加えチョリソー、アスパラサラダ、カントッチョをオーダー。
永「レッチリも良いね。今、俺が思うに海外でバンドらしいバンドってレッチリとU2だな」
久「メンバーそれぞれのキャラがいいね。レッチリだとやっぱりフリーの人柄っていうのがあのバンドのコアだよね。一件ハチャメチャでひょうきん者のイメージがあるけどかなりの線でシリアスな男だよね」
永「そ、彼がソウルだよね。『風林火山』の中で歌ってるんだけど、やっぱりバンドに限らず組織ってバランスなんだよね。頭がいい奴がいないと成り立たないし、顔となるものが必要だし、体力がないといけないし、あとはやっぱり心(魂)がないとね、熱いものがないと」
久「そう考えるとビートルズ、(昔の)ストーンズ、フー、ツェッペリン、歴史に残るバンドってやっぱ絶妙なバランスだよね」
永「そう、俺的に日本だとボウイかなあ、あとナオキがいた時のラフィン、いまだとウルフルズあたりが結構良いかも」
久「日本はバンドが解散するとヴォーカルしか残れないケースが圧倒的だよね。永ちゃんも、フミヤも」
永「でもヴォーカルさえ残れないケースもある。奥井香や寺田恵子はどうしたんだろ?」
久「ギャルバンはまた特別でしょ。菊池桃子のラムーみたいな逆な失敗ケースもあるよ」
永「ははは、なるほど」
久「学人はことあるたびにラフィンラフィン言ってるけど学人のやってる音楽って全然パンクっぽくないよね」
永「それは当たり前だよ。ラフィンは好きだけど俺がラフィンやったってしょうがないじゃん。あれはラフィンがやるから格好良いんであってオリジナルは越えられないもん。ストーンズ好きだからストーンズっぽいことやりますじゃあゲイがないよ。聴く音楽とやる音楽は、また別でなくちゃあね」
バンドは個人の力量だね
久「じゃあ、どんな音楽をやりたいと思っているわけ?」
永「そうだね、バンドの良い面、悪い面?いうか酸いも甘いもやって来たからなぁ。今はプロジェクトというかそういうチームみたいなものを作りたいと思ってるんだよね。サッカーでいう代表みたいな。あれって面白いと思うんだ、各クラブチームの主役がその時その時でチームを作るわけじゃない。チームプレイを分かっているモノ同志だからある程度であってもすぐに分かり合えるよね。メンバーも違うし、ポジションが違っても一つのチームというかね」
久「フォーメーションや作戦もその時で違ったりとか?」
永「そう、核になるものはしっかりしていなくてはいけないと思うんだけど、形にこだわらずにフレキシブルに活動するってことも有りかなと思ってるよね。バンドってものに対するこだわりってものは以前に比べて無くなったかなあ……」
久「佐野元春が良いこと言ってたんだよね『僕らはバンドじゃない。ホームなんだ』ってね」
永「そう、その通り。バンドじゃなくてもアトラクションズとか、ハートランドとか、クールファイブとかよっぽどバンドな場合もあるよね。レニクラなんて一人でもバンドだし。確かに同じメンバーでずっとやっていければいいと思うんだ。でもそれだけでもないんじゃないかとも思うわけ。もしくはバンドとバンドという単位で一つのグループがあったって言い訳じゃない。ソウルフラワーユニオンみたいなさ。大きく大きく輪を広げていきたいんだよね」
久「各自が自分のパートをわきまえるってことだよね」
永「そう、そうすればスムーズだしエネルギーを最大限に生かせるはずだよ」
久「フロントマンであっても、バックであっても個人の力量だね」
永「今回、虎福で『クリスマスコンピレーションアルバム』を作ることになったんだよね」
久「俺もペイジで参加してるよ」
永「虎福インターナショナルの原点に還ってね。今身近にいるいろんなアーティスト達のオムニバス音源を作るってことは結構意義があること何じゃないかと考えてるんだ」
久「クオリティーの高い作品になりそうだよね」
永「個々にそれぞれ良いものを持っているんだから、もっと多くの人達に聴いてもらいたいと思うんだ。それぞれの輝きが集まって一つの大きな光になるというかね。スバルというか……」
久「いい響きだね。二等星であっても、三等星であってもみんな一つになってお互いに輝きを増すみたいな。でも冬の星座って結構センチメンタルなもの多いよね」
永「そう、決してなれ合いではなくてね。もっとお互いに輝きあっていかないと。あとは星を探してくれる人の判断だから」
久「なんか結構いい話なんじゃない?」
永「当然です。それが俺が掲げてるムーヴメント構想なんだけどね。シーンって響きでも良いかな」
久「でも肝心な学人が最近気合いが入ってないとの噂も聞くけど。人の心配してるより自分の活動しっかりしろってみんな言ってるよ」
永「まあね。バンド解散してソロになるって結構大変だなあと今さらながら感じてるよ。周りの仲間に支えられて何とかやってきているけどね。その点はホント感謝。あとは周りのみんなもバックアップしていきながら自分も確実にステップアップしていかないとと思ってる。」
久「難しいよねえ。ソロになると自分のやりたいことに自由になる分全部自分の責任だもんね。さっきも言ったけどソロになって伸び悩んでる人も多いモンね」
永「その通り!ラフィンもチャーミーのソロは失敗だったしね。彼はやっぱりポンと組んで輝きを増すキャラなんだね」
久「永ちゃんは大成功なんじゃない?」
永「そうだね。やっぱり彼が曲書いてたからじゃあないかな?やっぱりソングライターは強いと思うよ。あと民生も良い形なんじゃないかな。リラックスしていて。十代や二十そこそこの人間なら勢いケーオツで押し切れる要素もあるけど、ある程度年行ったら余裕みたいなものも欲しいんだよね。大人の色気とか」
久「そこんとこふまえてボウイはどうなの?」
永「そうだな、ヒムロックはもう仙人というかカリスマで行くんだろうね。一定の支持者はいるんだろうからバクチクとか浜省とかみたいにね。布袋は面白いケースで注目してるんだ」
久「何で?名前に寅がつくから?」
永「彼ってギタリストじゃん。コンプレックスみたいにボーカルを立ててやるのかと思ったら、自分で歌い出しちゃってさ。下手だから売れないと思ったら地位を築いちゃったね。やっぱりメロディーメーカーって言うかソングライティングの才能なんだろうな。自分の力や表現方法の範囲内で最高のもの書いてるよね。演出家なんだろうな」
久「だから映画やCMにも出てるのか」
永「でも悲しいかなやっぱりギタリストの歌なんだよなあ。俺は人に提供している楽曲の方が好きかも。自分の音域や歌唱力に縛られることなく書けるモンね」
久「確かに俺、今井美樹の曲好きだなあ」
永「じゃあ今からブックオフ行って来れば」
久「さっきからそればっかりじゃん」
永「でもね、布袋のソロから入った人にとってはそれで良いのかも。ボウイから入った人は当時と比べてしまう故に色々考えてしまうけど、ギタリズム世代の人間にとってはヒムロックは必要ないのかも知れないしね。だからさっきも言ったようにボウイは再結成しなくても良いのかなと」
久「時期を逃したというか、時間が経ちすぎたのかもね」
永「話が戻るけど、ギタリストでボーカルとしても成功してるのってクラプトンかな?」
久「あ、それ当たりかも!」
永「もともと歌うまかったのかも知れないけどまれに見る成功例だと思うなあ。ジミヘンやジェフベック、ジミーペイジっていうギターヒーローの中で考えても凄いよな」
久「じゃあ布袋もアンプラグドした方が良いんじゃない?」
永「ははは、布袋はね、ピートタウンゼントを感じるね」
久「なるほど。だったらロックオペラ書くしかないんじゃない?」
永「つーか今日って全然国民の祝日じゃないじゃん!当初のコンセプトが全然守られてないんじゃないか!!」
久「な、何だよイキナリ……何が言いたい訳?」
永「仕方ないから今回も俺が決めてやるよ。十一月二十六日は!!!!」
久「十一月二十六日は……」
永「バンドの日!!!!」
久「……すいませーん。お愛想・・・」
二〇〇三年 十一月二十六日(金曜日)
【お詫び】
今回はスペースの都合上、恒例の『注釈〈という名のウンチク〉コーナー』は省略させていただきます。実は、このコーナーもさりげなく楽しみにしているコアな方々もいるらしいですね。
あなどれない、永久読者。
では、十二月号(最終回という噂も……)まで。
最終ラウンド
キーワードは〈現実〉。自分を見つめ直せってことだね。(本文より)
何だかんだ言って1年間続いてしまったこのへべれけ対談。
最終回となった今号だが、お互い年末の疲れのためかローテンション。
力を振り絞ってのフルラウンドガチンコ対決の結末は!?
今回のリング 大使館
新宿歌舞伎町 職安通りドンキホーテの隣に構える韓国料理店。
前回の対談の候補店にあがっていながら見送られる。ホームページの掲示板に「此処のちぢみが絶品」との書き込みがあり調査研究の意味も兼ねて訪れることに……
永「今年も色々と有り難うな、カンパーイ!」
久「ホントお疲れさまでした。」
永「今回で『永久対談』も最終号だから総括も含て内容濃くお届けしたいと思ってるぞ!お前やれんのか?」
久「やれますよ猪木さん!っていうか大晦日の格闘技興行ヤバイよね」
永「今回脱線厳禁イエローカード!プロレスネタ一切無し。一言でいってどうだったの今年は?」
久「うーん、上半期は比較的ノンビリだったけど後半はバタバタと慌ただしかったなあ。夏の合宿ぐらいからだね。バンドも軌道にのってレコーディングしたりライブもこなしてきたし、それと反比例でプライベートはソロ活動になってしまったけど……。いろんな意味で転機の年だったのかも知れないね。良い経験したよ。三十にもなったしね」
永「そっか、もうオジさんだもんな。『三十代へのパスポート』もらえたんだ」
久「俺も一応もらえたみたい。そっちはどうだったの?」
永「対照的に俺は結婚したね。家庭生活をスタートさせてみたってのはある。でも今のとこそれほど生活の変化はなくて、来年三十のパスポートもらうための仕上げというか、ケジメというか足固めをした一年だったね」
久「なるほど」
永「音楽でいえば今までの音源の中からバラードベスト『愛のかたち』、ロックベスト『Rockin'on GUKUZIN』をリリース。そんで年末にカバー集『ロックンロール』をリリースするじゃない。ライブハウスでのライブもしたし、カバー曲を歌ったり、オムニバスのアルバムリリースしたり今後に繋がる活動だったんじゃないかなあ」
久「めずらしくオリジナルアルバムのリリースはなかったね?」
永「『ロックンロール』が長引いたからね。でも来年早々にも取りかかるよ。俺の中では来年三月の誕生日が来て一年みたいなサイクルなんだ。そんで三十じゃない。丁度いい区切りなんだよね」
久「勝手に暦変えてない?でもさっきから仕上げとかケジメとか、なんか守りに入ろうとしてないか?家庭人になったから?薬丸って呼ぶぞ!」
永「そういうつもりでもないんだけど、一応見きりというか、そう自動車学校でいう見極めだね。そんで第二段階へ進めるわけじゃない」
久「俺、来年自動二輪の免許取るつもりなんだ。ボーナス出たし……」
永「聞いてないよ。自分なりの見極めつけながら進んでいかないと。いつまでも楽しい楽しいだけでもいけないと思うんだ。男の責任だよ!」
久「なんだ、いきなりトイレ掃除の話か?尿石たまってんのか?井上和香ですっ」
永「年相応のライフスタイルと楽しみ方をしていかないとなって思ってるよ」
久「なんか保守的な発言だなあ」
永「だって来年は着実に地固めをしろってテレビブロスの占いに書いてあったんだ。ちょっと見てみな」
ここで永澤が携帯していた『テレビブロス』の二〇〇四年占いのコーナーを二人で検証する。ちなみに永澤は牡羊座、久保は蟹座である。
永「お前の来年のキーワードは『生活』だぞ」
久「お、良いねえ。俺、エレカシ好きだもん。ウンナンもね」
永「そういうことじゃないだろ。とにかく日々の生活をちゃんとしろってこと!」
久「え、ルー大柴?」
永「お前ホントにパスポートもらえたのか?毎晩毎晩飲んでばかりいないで規則正しい生活を心がけろってことだよ」
久「何だよ、説教強盗か。そういう自分はどうなんだ?」
永「俺はズバリ『現実』。自分を見つめ直せってことだね。また幸運の場所がデパ地下、映画館ってあるから来年はショッピングと映画三昧でいくことにしたよ」
久「つーか、ミュージシャンじゃないのかお前?」
永「俺、アーティストだもん。来年は執筆活動にも力入れるよ。『学人原論』の出版も考えているしね。お前は来年〈南の島と広い公園〉がラッキースポットだね。暖かいトコ行って自然に囲まれてノンビリすごしたら良いんじゃないのか?」
久「ふーん、そっちは凶の方角が北東って出てるじゃん。実家に帰れないんじゃないの?」
永「確かに辛いかも、でも占いのいってることが全てじゃないぞ!運は自分で切り開いていくものじゃないのか!!!」
久「おいおい自分から占いのページ見せておきながら何だよ……」
永「ブロスは毎年、占い目当てで年末号だけ買ってるんだよね。昔は毎号だったけど最近はSPAに変わったかな」
久「おっ、三十代意識してるな?」
永「やっぱ『現実』だからね。自分がイメージするものになるには『じゃあどうしたらいいのか?』ココを考えないと。闇雲にやってみるじゃあね、がむしゃらならまだ良いけど」
久「そう、目標を持つって大事だね。目標があるのと無いのじゃ何事においても違ってくるね」
永「期限を決めてやるってのも大事だよ。自分を追い込む緊張感も必要じゃない?時間って限られてるものだから」
久「そう、時間って貴重だもんな。バンドやってて思ったんだけど一年が早かったなあ。アッという間だったなぁ。気づいたらまた一年経ってるのかも……」
永「棚からぼた餅なんてなかなかあるモンじゃないよね。やっぱり志と道筋を追って先へ先へ行動している人が成功してる人なんじゃないかな?」
久「オキメグと結婚したりとかね」
永「そ、若くして会社起こしたりしてるような人ってそういうことなんだろうね。『私の履歴書』とか『プレジデントビジョン』とか読むとそう思うよ。世界観を大きく持つことだろうね。あと、俺は今年一年、音楽との付き合い方を探していたね。どういうスタンスで音楽と付き合うか。それで飯を食いたいのか?それとも自分の好きな音を追求していたいだけなのか?実際それで生活しようと思ったならかなりのハングリーさを覚悟しなくてはいけないなと思ってる」
久「確かに並大抵のことじゃないよね」
永「リーマンやりながらでも良い音楽やってる奴もいるからね。どこまで大きな活動を考えるのか?どうなりたいのか?そこだろうね、行き着くとこは」
久「そうだね、明確なヴィジョンが見えれば行動に移すだけだもんね」
永「そうなんだ。その意味でも一回、リセットだね。新譜出して一段落!」
久「なんか学人引退会見みたいなんだけど……」
永「ちょっと待ってよ!引退じゃなくて卒業だって!!!つーか辞めるなんて言ってないよ」
久「俺は楽しみながら続けていければいいなあ。大人のスタンスでね」
永「どっちにしても自然体って言うのが良いね、そう自然体。余裕の姿勢というか開き直りというか。プラス『大人の色気』ね。」
久「そう、俺たち大人の世界に入ってきたなあ」
永「そ、十二ラウンド良くもったなあ」
久「お、フルラウンドまで持ち越したってこと」
永「ま、俺の判定勝ちだけどね」
久「え、何を基準に勝ち負けなんだよ!ツーか勝負してたの?」
永「俺達いつでもガチンコ勝負!デスマッチだぞ!」
久「タッグマッチじゃないのかョ」
永「タッグ?お前と?GQ砲か……」
久「何か弱そう……しかもQって……」
二〇〇三年十二月