学人スピリット炸裂!!最新アルバム発売を控え自身大いに語る。
21世紀のBOφWYってのはある意味
俺なんじゃないのかなって思ってるわけ(本文より)
十二月。
だんだんと寒さが肌に感じてきた今日この頃、それとは反対に何やら熱い噂が流れてきた。
久しぶりに永澤学人が音楽活動をはじめたらしいと、おもいっきり不確かな情報が、耳に飛び込んできた。
なにやらイベントを開催し、しかも年内にはアルバムまで発表とか。
この際めんどくさいコトは抜きにして、直接本人に遭って話を聞くことにした。
東京都新宿区某所。
待ち合わせた彼の第一声はいつもどおり
「のど渇いてない?とりあえずエビスとハイネケン!」
だった。
近況、ルーツ、平井堅、虎福の活動、ジレンマ、憂鬱、
二十代へのエール……その他もろもろ、久しぶりに表舞台に顔を出した(最近テレビにも出演し調子こいてる)永澤学人の三時間三八分に及ぶ、本人大いに語って大満足の待望二万字(ぐらいな気持ちの)インタヴュー。
必読。
俺、音楽活動してなかったら
べガルダ仙台のフーリガンだったよ
●今年はあまり活動してなかったよね、寝てたって噂だけど。
学人(以下G)「何言ってんだよ!ちょっと夢見てただけさ(笑)」
●あまりに表に出てこないから死亡説が流れたんだけど。あと、歌舞伎町でドネルケバブ食べてたとか。
G「あっ、それは俺だわ」
●音楽活動そっちのけでPS2のサッカーゲームばっかりしてたって噂もあるんだけど。
G「……」
●って言うよりサッカー好きだったっけ?
G「ちょっと勉強不足じゃない?俺はキャプツバ(キャプテン翼の略)世代だぜ。今年はワールドカップもあったから、毎晩観てたんだよ。でも俺は日本人だからJリーグ派だけどね。俺、音楽活動してなかったら、ベガルダ仙台のフーリガンだったよ」
●フーリガンになりたいのは、単に試合の日にパブで黒ビール呑みたいだけじゃないの?
平井堅はヴォーカリストとして
刺激されるとこあるね
●ところで学人のルーツってなに?
G「ちょっと、ずいぶん話が飛ぶねえ。そりゃもちろん決まってるだろ、仙台だよ」
●そんなんじゃなくて、音楽、音楽の!
G「そんな目くじらたてて怒るなよ」
●お前、中卒だろ。
G「お前だって中卒のくせして。まっ正直言うと《今夜キメたから》」
●いいかげん腹が立つんだけど!
G「悪い悪い。ほんと、正直言うとやっぱラフィン(ノーズ)かな。俺、ラフィンのライヴではかなり暴れてるよ」
●えっ!でもラフィンの雰囲気全然しないよね。俺は学人の歌聴くと、いつも平井堅を感じるんだけど。
G「えっ、なに?」
●(声を大きく)最近の学人の曲聴くと平井堅感じちゃうんだけど、どうなの?
G「ああっ、堅ね、彼もなかなか頑張ってると思うしリスペクトしてる部分もあるよ」
●今年「大きな古時計」でガッときたじゃない。
G「ああいったクラッシックをガッと歌えるのはヴォーカリストとして刺激されるとこはあるよね。でも俺は違うよ。シングルじゃなくて来年は全曲カバーのアルバムドッカーンと出すつもりだからさ。そこが彼と俺の決定的に違うところかな。なんて言うかスケールの違いみたいな?」
●ずいぶんメートル上がりすぎてない?
G「昔、俺もRC(サクセション)の〈カバーズ〉聴いて凄く衝撃を受けたり、自分でも山之天気ってバンドで〈温故知新〉(1993年発売)ってカバーアルバム作ったけど、来年はもっと身近なところで選曲して仕掛けてくよ。これ以上は言えないな、オフレコにしておいて」
●今年は虎福インターナショナルとしての活動が濃かったね。
G「ウェブ上での活動も活発だったし、GUKUZIN FOR GENTLMANのスーツも含めてだいぶ組織化されてきたね。まっ虎福も今年で十年だし、やっぱりもう一度原点に戻ってやってみたいっていう気持ちもあるんだよ。俺なんかウェブで連載されている『モエル男』毎回読んでるけどね」
●で、肝心な音楽活動の方はどうなの。そういえば、俺のところに正月学人からきたメールで『今年はスクールボウイってバンドとセンチュリーボウイってバンド演ります』って書いてあったんっだけど、どうなっちゃったの?
G「スクールボウイはもろもろの関係でちょっと休んでるけど、センチュリーボウイの方は〈バンド〉ってよりも〈アルバム〉って形で残すことになって……、まっ〈2000GT〉みたいな感じで豪華な参加メンバーを集めてやったって感じかなあ」
●どんなミュージシャンが参加したの?
G「俺は今回は歌に専念して、ギターはドレちゃん(MSG)が担当してくれたんだよ。彼もあいかわらずのご機嫌なギターを弾いてくれたんで、俺も存分にシャウトできたよ」
●先日送られて来た(製作途中の)MD聴いたんだけど、あれから感じとれるのは……。
G「ちょっと(怒)いつの間に流出してんの、発売まで外に出すなって言ったのに」
●ちゃんと虎福インターナショナルから送られてきたけど
G「しょうがねぇなあ、あんまりきまってるから早く聴かせたかったのかっ。でっ、そこんとこふまえてどう?」
●曲順とかもバラバラだと思うからはっきりとは言えないけど、肌触り的に考えるとかなりロックな感じに仕上がってるんじゃない。
G「今回は自分の年齢にあったロックアルバムを作ろうと思ったんだよ。だからただ単に叫んでいるだけでもなく、デカイ音を鳴らしているんでもなく、歌詞の内容にしても、これは二十代を駆け抜けてきた奴に凄く聴いてほしい。みんなのことを歌ったみんなのアルバムであってほしいよ」
●曲のリストを見ると〈ボウイ〉ってついてる曲が多いんだけど、なんか意図していることがあるの?
G「タイトルトラックの〈センチュリーボウイ〉ってのは二十一世紀のBOφWYってのはある意味俺なんじゃないのかなって思ってるわけ」
●あれ?さっきはラフィンノーズが好きって言ってなかった?
G「実はBOφWYも聴いてたよ」
●初耳なんだけど!
G「正確に言うとBOφWYのスタイルであったりとかスピリットの部分はかなりリスペクトしてるんだ」
●じゃ、やっぱりギターはテレキャス使ったりジャズコーラス使ったりしたの?
G「そんなマニアックな話はいいんだよ。そんなことばっかり言ってるから中卒って言われるんだ。
●じゃ今回のアルバムを通じて伝えたいメッセージってあるのかな?
G「いや、このアルバム自体が俺のメッセージだし、ひとつひとつ歌詞を噛みしめながら聴いてほしい。きっと三十代のパスポートになると思うよ」
俺の人生で、俺に関わったものすべてが
学人ムーブメントだからさ。
●なんか一二月に久しぶりにライヴを演るらしいんだけど、今年はじめてのライヴ?
G「仙台ではジャズフェス(ジャズフェスティバル)でプレイしたんだけど、東京で演るのはホント1年ぶりなんだ東京のファンに会えるのが、凄く楽しみなんだ。
●今回はイベントみたいなんだけど、他にはどんなバンドがでるの?
G「虎福インターナショナルのメンツが参加しているバンドは全部出て、AWAKESでしょPAGEでしょMSGでしょ。今回は特別な夜になると思うよ」
●学人ムーブメントは昨年で解散したんじゃないの?
G「いや、解散はしてないし、これからも続いていくもんだよ。言うなれば、生まれてからずっと俺が学人ムーブメントみたいなもんだからさ」
●(笑)
G「俺の人生で、俺に関わっているものすべてが学人ムーブメントだからさ」
●そうなんだ。そりゃ楽しみなイベントになりそうだ。で、今回のイベントはどんなところに注目してれば、いいの?
G「簡単なこと、俺だけ観てればいいんだよ、アイ アム ガクジン」
二〇〇二年十二月二日
第1ラウンド(1/13=成人の日)
今年の目標はトークライヴしかないしょ!(本文より)
永澤学人+久保タカシ=永久対談
虎福インターナショナルが2003年に放つ新企画!!!
今回は取締役と相談役の新春対談(と言う名のへべれけ雑談)
皆さんは目を通しただろうか?
『永澤学人二万字インタビュー』
そう、昨年の虎福インターナショナルのイベント〈IN 2 OUT〉の来場者全員に配付され、クスり笑いを誘ったフリーペーパー、それである。
その後、発行元あるいはイベント主催者側に「あの対談は一回きりなの?」とか「聞き手の〈久保タカシ〉って誰?」など問い合わせが殺到。(これ本当!)
そんな反響にお答えして、あの二人が帰ってくる。
永澤学人。
久保タカシ。
タイトルも新たに、二人の頭の文字を取って、
『永久対談』
二人の東京ゴキゲンスポットで、アルコール片手にとにかくくっちゃべってもらうこのバーリトゥードな企画。
さて、今回は栄えある一回目。収録日が成人の日だったこともあり、成人の大先輩永澤・久保の両雄大張り切りのはずだったが、正月明けでちょいと餅の喰いすぎを感じさせる歯切れの悪いトークで幕は降りた。
学人的にちょっと早めの
リバイバルって感じも含めて
学人(以下 永)「いやー、まずは乾〜杯〜っ今、君は人生の〜大きな大きな舞台に〜」
久保(以下 久)「はっ?ちょっと待ってよ。正月早々長渕?しょっぱい三日月かよ・・・」
永「えっのど渇いてないの?久しぶりのハブ(二人がよく呑みに行くPUB)だっていうのに!」
久「ちょっと正月(当日はまだそんな時期)なんだから“あけましておめでとう”ぐらいは言ってくれよ」
永「おっと、いけない。じゃ改めて。アケオメ!」
久「うおっ、それ去年ぐらいやたら言っている奴いたけど、今年聞かないねーっ?」
永「ブームとか流行りっていうのは、何年か経つとまたリバイバルされるもんじゃん」
久「で、それがなんか関係あるの?」
永「まっ、ハッキリ言っちゃうと学人的にちょっと早めのリバイバルって感じも含めて、改めてアケオメ&コトヨロ」
久「早すぎるリバイバルだなあ。俺もそんなに暇じゃないんで、さっさと進めていい!」
永「それもいいけど、新年の挨拶もしたことだし乾杯しようよ。ビールがぬるくなっちゃうぜ」
久「はいはい。チェアーッッッッズ」
久「それにしても凄い反響があったらしいじゃん」
永「あ、この前発表した俺のニューアルバムと十二月に演ったイベントのことでしょ?」
久「違うよ、全く。人の話は最後まで聞いてほしいね。早とちりにもほどがあるよ。夜の勤めも早いんだろ」
永「うわっ、失礼な。そんなこと言ってると三十代のパスポートもらえないぜ」
久「黙ってても七月には三十になるんで別にいいけど。じゃなくて『学人二万字インタビュー』のことなんだけど」
永「ああっ、そうそう俺もびっくりするくらいのリアクションがあって。それじゃいっそうのこと毎月やっちやおうかってことになったんだよ」
久「なんか凄くありがたい話だね。あんな雑談程度の感じなのに」
永「やると決めたからには、月一ペースでいろんな形(フリーペーパー、インターネット上などなど)で公表したいとは思ってるんだ。タイトルも題して〈永久対談〉」
久「永久対談?」
永「そう。二人の頭文字を取って。あと企画が半永久的に続くって意味も込めて(得意気に)」
久「……、とりあえず永源対談って名前に変えといたら」
永「ちょっとツバ吐きじゃないんだから。だから中卒だって言われるんだぞ。」
久「まっいいや。その度うまいビール一杯でもおごってよ」
(聞こえていないふりをして、おかわりのビールをとりに席を立つ、永澤学人)
久「お〜い、俺の分の焼酎とあたりめも!」
永「ここは魚民じゃないぜ、東京だぜ」
ライヴは年四回を予定してるんだ
最低でもテニスの四大大会ぐらいの勢いでかます予定
久「まずは昨年(2002)の学人の活動について振り返ってみたいんだけど。まずはアルバムの発売……」
永「そうだね、〈センチュリーボウイ〉。自分のイメージどおりの大人のロックアルバムに仕上がったとは思うんだけど」
久「反響はどんな感じなの?」
永「年末に出したから、まだ皆の手元に届いているのが少ないんだけど。手にとった人たちの反響はかなりイイよ」
久「(アルバムを手にとって)しかしこのジャケット、イイね!」
永「一応俺がパパラッチされてるってイメージなんだよね。アルバムの内容もさることながら、ジャケットも大人の感じにキメてみたんだけど」
(久保、しばし苦笑)
永「まだ、手にしていない人も多いから、あとは購入してからのお楽しみってことで」
久「じゃ、さっきもちょっと話に出た十二月のイベントについても聞いておこうか」
永「そうそう。永澤学人の二〇〇二年年唯一のライヴだった訳なんだけど。当日は雪が降ったのにもかかわらず、会場がビッチビチ満員になるくらいの人が来てくれて」
久「たしかに人は凄かったねぇ」
永「足を運んでくれた人ならびに当日出演してくれた他のバンドにも、この場を借りて改めてサンクスって言いたいね」
久「俺も当日出演したから、俺にも感謝してるってこと?」
永「(おもいきり無視して)内容的には昔の曲が中心だった訳だけど、正直言うと新しいアルバム〈センチュリーボウイ〉からのチューンも演りたかったのも事実なんだよね。現にオーディエンスの中に〈新曲聴けると思ってたのに〉って人けっこういたからね」
久「じらすってのも大人な感じでいいんじゃない。どうせ、今年のライヴでは演るんでしょ」
永「そうだね。その話が出たついでってのもなんだけど……。今年のライヴの予定の話でもしようか」
久「遠慮しとくよっても、話すんでしょ!」
永「今年は年四回を予定してるんだ。その間に恒例のジャズフェス(秋に学人の地元仙台で開催されるジャズフェスティバルのこと)があったり、まっ最低でもテニスの四大大会ぐらいの勢いでかます予定。だからみんなにグランドスラムしてほしいね」
久「昨年末にはテレビ出演もしたけど、メディアの方にもどんどん出ていくって感じなの?」
永「ちょっと、そんな野暮な質問しないでよ。これも充分メディアを意識した企画なんだけど!」
久「俺は酔っぱらいの戯言のつもりだけど」
永「DRUNK IS HONESTY 真実はここにあるんだよ」
永「しかし、こう考えてみると去年以上に内容が盛りだくさんな感じの年になりそうなんだよね、自分でもワクワクしちゃうよ、ミポリン!」
久「なに急に毎度おさわがせしますかよ。ていうか去年は例年に比べると、あまりにも活動しなさすぎだったんだよ!」
永「えっ、なんだって。よく聞こえないっ(当日隣のテーブルには成人式の帰りと思われる若者が騒いでいた)」
久「隣のグループ、やけにメートル上がってんなあ」
永「それが若さってやつか!おい、少し酔ったぐらいでしゃべりすぎだぞ。ト・イ・レはあっち」
永・久「パオパオ」
久「(苦笑い)対談っていうくらいだから俺にもなんか聞いてくんないの?」
永「知ってた?」
久「何?」
永「もうドリンクのラストオーダー終わったよ」
久「はやく言ってよ。じゃダッシュで。今年の目標は、この企画のトークライヴを絶対演りたいってことかなあ」
永「いいじゃん、それ!」
久「でも誰が観にくるんだろ」
永「かまいやしねぇよ、レッツ!」
二〇〇三年一月一三日 ハブ新宿歌舞伎町店にて
第2ラウンド(2/11=建国記念日)
ロックってみんないろいろ言ってるけど
結局、俺のことじゃないかなって?(本文より)
第2弾のステージは、吉祥寺。
ここに来ると二人は、あの頃のことを思い出す……。
東京都武蔵野市吉祥寺。
皆さんはこの街の名を聞いて何を連想するだろうか。
ここでボートに乗ると別れるとは真か、井の頭公園。
品書きに「ねぎま」がない、やきとりのいせや。
子供も大人もわくわく、三鷹の森ジブリ美術館。
ひとりぼっちの吉祥寺駅前、シェイディードールズ。
と、いろいろあると思われるが、さて、この二人にとってこの土地はどんな思い出がつまっているのだろう。
東京に上京してきて、初めてのライヴハウス出演をはたしたのがここ吉祥寺の、永澤学人。
その貴重なステージを、客席から観ていた今では数少ないうちの一人、久保タカシ。
二人の思い出東京スポットから、ほろ酔い気分でお送りするこの企画、その第二弾。
今回はそんな吉祥寺より、その中でもさらに思い出深い店、居酒屋王将(ここは皆さんもけっこう知っている某ギタリストが珍事件をおこした場所として有名)にてのトークを、建国記念日スペシャルヴァージョンでお送りしたい。
今回はいつもよりすこしセンチメンタルな夜を皆さんにも感じてほしい。
ズバリ、ハンカチの用意を。(ウソ!)
ノスタルジーでもあり
センチメンタルでもあった
学人(以下 永)「いやー、まずは次の水割り手にして訳もないのに乾〜杯〜っ」
久保(以下 久)「はっ?ちょっと待ってよ。先月は長渕で今月は尾崎かよ。しかも訳がないってどうゆうことよ、訳あるじゃん」
永「今、ここに来る前に友達(ダチ)のバンドのアーチーズ(注1)の解散ライヴを観てきたんだけど、一言で言うとノスタルジーでもありメランコリーでもありセンチメンタルでもあったライヴだったね」
久「なんかかっこいいこと言ってるんだろうけど、全然一言でまとまってないじゃん」
永「アーチーズは俺たちが東京に出てきて対バンした中で始めて仲良くなったバンドでさ、クラブチッタ川崎で演った時は客が三人しかいなかったっていう伝説のライヴを体験した仲でもあるんだ」
久「で今夜の場所は何処だったの?」
永「曼陀羅2だったんだけどそれがビーポイントの近くでさあ」
久「ビーポイント(注2)ったら君が上京してきて始めて演ったライヴハウスじゃない?」
永「そう!よく知ってるね。もしかして俺のワンフー?あと、《永澤学人-春の陣-》と題して初ソロライヴを演ったのもビーポイントだからねぇ」
久「ちょうどよく今、狡助って言葉が出たけど……現在のソロの学人のバンドと狡助はどう違うの?」
永「……匂いかなっ」
久「それ、今テーブルに干物が運ばれてきたからじゃないの。思いつきもいいかげんにしろよ!」
永「特に違いはないんだよ。だって俺、生まれた時から今まで、そしてこれからも学人ムーヴメントだからさ」
久「へーっそうなんだ……」
永「やっぱり、狡助ってのはがっちりとスクラム組んだバンド活動だったけど、ソロになったらさらに輪が広がってグループっていうか……」
久「それは音楽に関わってなくても、学人と関わってる人もって含めてこと?」
永「そう。もっと簡単に言っちゃうと学人ムーヴメントの音楽聴いたことのある人皆、学人ムーヴメントみたいな感じ!」
久「……、とちょっとそれ、強引な歌舞伎町の客引きより立ち悪くない?」
永「さらに俺達のホームページに一回でもアクセスしたら即ムーヴメントのパスもらってるようなもんだから」
久「それってスイカ(注3)みたいなもん?」
永「もちろんタッチ&ゴーだよ」
そう考えると三分よくしたもんだよ
一八〇秒でしょ、深いね。
久「二月のステージはどうなりそうなの?今年初だからあがっちゃってんじゃないの」
永「もちろんメートルあがりっぱなしだけど……まず今回はトリってこともあって、基本的に時間をおすってコンセプトで演るつもりなんだけど。ライブには時間切れ引き分けとか両者リングアウトとかないからね」
久「それってタイガージェットシン(注4)くらい思いっきり反則なんじゃない。しかも演る前から言うなよ」
永「そうやって自分にプレッシャーをかけてるつもりなんだけど。でも、理想は決められた時間、そう、たとえば三十分のステージであっても一時間のイベントであっても、その枠の中で自分をいかに表現できるかっていうのが、ほんとのところ理想だね」
久「納得。凄く納得」
永「だから言うなれば、博多天神(注5)みたく替え玉何杯しても五百円ですってとこは、もしかしたら反則かもしれないね。ミュージシャンが出すアルバム、今はCDタイムが基本になってるけど、俺はやっぱり四十六分だと思うなあ。その四十六分の中でアルバムは完結しなければいけないと思うし……」
久「ギターソロが延々続いてとか壮大な曲ってあるけど、やっぱ長さじゃないんだよね」
永「シングル曲に関していえば三分、なんつーか初期のビートルズ(注6)と一緒で」
久「それって学人の曲聴きながらカップラーメンができちゃうってこと?一石二鳥じゃん」
永「(苦笑しながら)そう、本当にそうだと思う。まあね、あえて言うなら麺硬めの人はこの曲とかクレジットに書くぐらいの勢いだよね」
久「ハッハッハッハッ!俺硬め派だけど、例えばどんな楽曲があるの?」
永「先日発売した〈センチュリーボウイ〉で言えば、麺硬めの人はイントロタクションにしてねとか」
久「そう考えると三分てよくしたもんだよ。ラーメンも三分だし、ボクシングも一ラウンド三分だしね」
永「そう。プライドで言うと例えばクロコップとやって、もう少し長ければとかい言う人いるけど、それはそれでわかるんだけど、総合格闘技のプロとしてだったら、やはり三分でしとめなくちゃね。んーっ、三分、三分。よくしたもんだね。一八〇秒でしょ、深いね」
久「この対談も深くいきたいね」
永「えっ、充分深いよ。ちゃんと俺に追いついてきてよ」
俺に触れる。
そこからロックがはじまるんだよ。
永「ところで、できあがった原稿読んでみたんだけど、これ先月の話じゃないの。(今回編集作業が遅れて一月号二月号同時発行)ちょっとちょっと一ヶ月たっちゃ遅いよ。これ誰が編集してるの」
久「(小声で)俺なんっすけど」
永「ちょっと、俺たちは常にライヴなんだからさ!これじゃ完全にいろは(注7)のビールみたくヌルくなっちゃってるよ。もっとキンキンの状態でみんなに届けないと」
久「えっ、それトークが寒いってこと」
永「違うよ。愛川欣也ってこと。七瀬じゃなく、織田でもないよ」
久「それが寒いってことなんじゃないの?」
永「そんなに寒いんだったら、俺のライヴ観るなり音源聴くなりしてほしいね。もう完璧に身体暖まると思うよ」
久「百聞は一見にしかずってこと?」
永「そうだね。それ以前に俺に直接触れるってのもありだけどね。まっ、そこからロックがはじまるんだよ」
久「そんなバーリトゥードな発言しちゃっていいの。だって、学人に触れたらかなり汗くさいじゃん」
永「あれ?」
久「どうしたの?」
永「通りの向かい側にHUBあるよ。もう一杯ギネス行きたくない?」
久「それじゃ、すいません会計お願いします」
二〇〇三年二月建国記念日 吉祥寺居酒屋王将にて
〈文中注釈〉 1)東京狡助初のバンド仲間。何度も対バンした他イベントなども共
に企画したりした。惜しくも2月に解散。
2)東京狡助初ライブを行った記念すべきライブハウス。
3)学人のスイカは新大久保〜日暮里間の定期券仕様。
4)言わずとしれた名悪役レスラー。久保氏のバンド「ペイジ」の元
の名前が「タイガージェットシティー」だったことはあまりにも
有名。
5)新宿系にはたまらない豚骨ラーメンの名店。基本は替え玉券を使っ
て2玉は食べることになっている。
6)ビートルズの初期は時間の短い曲が多い。しかもどれも名曲
揃い。長さじゃないと言うこと。
7)職場の近くにある焼鳥屋。良く通っていたが、ある晩営業時間内
で空いていたにもかかわらず、入店を断られた事があり、それ以
来行っていない。カウンターで一人で飲んでいるMSGを見かけ
たという報告もある。
第3ラウンド(3/21=春分の日)
まっ、ハッキリ言うっちゃうと
男の時間だからじゃない?(本文より)
第3弾のステージは、大久保。
東京のようで日本じゃない街で今宵も二人は酔いしれる。
今回のリング:「春夏秋冬」
JR大久保駅より徒歩5分目の前が学人の自宅だからと言うわけではないが二人が常連として通うラウンジ(本当は本場韓国豚炭焼が食べられる店)不定期だが水曜0時以降にPAGEのヴォーカリスト、ガッチのトークショーが開催されていることで有名。
女将はかなりマルシアに似ている。
文中に出てくる〈永澤学人 春の陣〉セットリスト
2003.2.28(金)at 渋谷乙「長祭り」
start 21:20
1)Something New
2)フリー
3)All of My Life
4)Never Change
5)ドリームウィーヴァー
6)Love Man
それライヴハウスじゃなくて
ダンスホールじゃない?
久保(以下 久)「zzzz〜」
学人(以下 永)「ちょっとなに寝てるの、寝てっつぉ大久保!早々からそれはないでしょ?」
久「これの前に五時間ドラム叩いてたんで」
永「いやー、まずはOKビールで乾〜杯 ♪呑もうぉ 今夜はとことん盛り上がろう。いま私気分爽快だよぉ!」
久「えっ、今月は森高?今夜は恋をした夜じゃないぜ」
永「おっと、森高なめちゃいけないよ。あの大槻ケンヂも森高の歌詞とコブラ時代のポンの歌詞は凄まじすぎて一目おいてるって言ってるんだから」
久「それに学人のファイバリットドラマーって森高だったよね。それより今、何時かわかってんの?」
永「一時ちょっと回った感じだけど」
久「いつも思ってるんだけど、なんでこの対談は深夜に行われてるの?」
永「まっ、ハッキリ言っちゃうと男の時間だからじゃない。オトナのオトコのね!」
久「……。たいがいけっこう量呑んじゃって三時とか四時まで呑んでない?前回の内容でアルバムのサイズは四十五分がちょうどいいとかいってたくせに、呑みはダラダラじゃん。しかもフルタイムドローって感じのが多くないか?」
永「オッケーわかった今夜はガチンコ四十五分一本勝負でいこうぜ。そういってお前はできんのか!ベーダーとできんのか!」
久「できますよ、猪木さんって感じだよ。今回は編集一切なしでいくよっ。毎回録ったMD聴き直すのけっこうつらいんだから」
永「そんな弱気なこと言うなら、今回は四十五分で魅せるトークしゃうからなっ、覚悟しとけ」
久「まっ別に俺はアルバムサイズじゃなくてシングルサイズでもいいけどね」
久「まずは、二月にライヴ演ったらしいけど、どうだったの?」
永「そういえば来てなかったね。まっ今回のライヴはトラブルが多かった(学人本人だけらしい)けど、やっと学人が帰って来たって感じでオーディエンスが受け止めたんじゃない」
久「ライヴもそうだけどライヴハウスで演るのも久しぶりだったんじゃない?」
永「そうだね、正直ちょっとライヴハウスから距離おいてたところもあったんだけど、久々に演った感じもいいよね。オーディエンスが陽気な色と音楽と煙草の煙にまかれてたね」
久「それ、ライヴハウスじゃなくてダンスホールじゃない?」
永「煙草の煙にまかれて吐いてた奴いたからね。それMSGなんだけど」
久「そこんとこふまえて、前にもふれたけど、今年は四回演れそうなの?」
永「もちろん!春の陣が終わったことで夏の陣が凄く楽しみになってきたよ(七月が有力か?)」
学人ムーヴメント自体が
太陽系みたいなもんだから
久「新作も着々と発売されてるみたいだね」
永「そう新作というよりベスト盤だね。最近リリースしたセンチュリーボウイというアルバムは、ある意味俺の中での一区切り的なアルバムであって、最新にして最高傑作だったんじゃないかと思うよ」
久「まっいいや。その度うまいビール一杯でもおごってよね」
永「一般にはマニアックだとかダークだとか言われてるんだけど、ある意味あのアルバムは例えるならラフィンで言えば〈ミートマーケット〉、ミスチルで言えば〈深海〉、ポゴで言えば〈1990〉かな(しみじみと)」
久「……全然例えになってないと思うのは、俺だけじゃないよね・・・・」
永「(全く気にせずに)そこんとこふまえた上でのラヴバラードベストとロックベストを発売するんだけど」
久「両極端な感じがするね」
永「そう、〈明〉と〈暗〉、〈静〉と〈動〉、〈太陽〉と〈月〉みたいな感じで両方聴いたらさらに俺のこともっとわかっちゃうんじゃないかと思うよ。学人ムーヴメント自体太陽系みたいなもんだから。俺の中には金星もあるし土星もあるし月もあるし、勿論お前らもいる(かなり満足げ)」
久「中にはスローな曲にロックを感じる人もいたり、ロックな曲の中にラヴソングな匂いを感じる人もいたりすると思うんだけど」
永「そんなことわざわざ答えなきゃいけないの?ちょっとかなりメートル遅れてない?そんな人達は、両方聴くしかないよ」
ある意味、俺の目次として
とらえてもらってもいいぐらい
永「バラードベストのほうは〈愛のかたち〉ってタイトルなんだけど、愛ってそれぞれいろんな形があるわけで、その中でみんなにも愛を探してほしんだよね」
久「なんか荒手の宗教団体みたいだな?」
永「愛・みつけました的な……」
久「それ〈愛・おぼえてますか〉の間違いじゃない!知ったかぶりもいいとこだよ」
永「ミンメイよろしくって感じで。俺たちイマイのプラモデルで育った派だからさ」
久「マクロス好きってけっこう少数派だよね、っていうよりもしかして学人、飯島真里のレコード買った方でしょ」
永「まあね。俺、江口寿史好きだからさ」
久「……もしかして水谷麻里と間違えてない。江口寿史のカミさん水谷麻里だよ。また知ったか?」
永「ジャケットを見てもらうと一番わかってもらえると思うんだけど、収録されている歌詞のフレーズを抜粋していてさ、これはほんとみんなに対する愛の問いかけなんだ」
久「ロックベストの方はどんな感じなの?」
永「ロックロックってみんな言ってるけど、正直俺パンクだからね!」
久「えっ!じゃロックベストじゃないじゃん?」
永「更にどっちかって言うとパンクじゃないぜ、スキンだぜ、みたいな」
久「それコブラじゃん!知ったかの次はパクリかよっ」
永「ちょっと、そんな野暮なことッツッコまないでよ。これも充分メディアを意識した企画なんだからさ」
久「この前収録曲をみたんだけど、〈ロッキンオン学人〉って言ってるけどけっこう代表曲だったりライヴでキーになってる曲だったが入っているのが目に付くんだけど」
永「そうだね。ちょっと2000GTの曲が多いのも確かなんだけど」
久「じゃタイトル〈2003GT〉にしたらイイじゃん(笑)」
永「ちょっと待ってよ!Viva Japenetionはバージョン変えたりしてるからさ、ちゃんと聴いてんの?」
久「このアルバムはいつリリース予定なの?」
永「三月三十日どぇす!」
久「あっ誕生日ね!」
永「おっ、やっぱり通だねえ、俺の誕生日知ってるなんて!」
久「今、俺クラプトンのこと言ったんだけど……、まっ誕生日プレゼントとしてそのアルバム買ってやるよ」
永「……、ちょっとそれどうなの?」
久「まっこれをきっかけにリスナーが増えるといいよね」
永「そうなんだよ。きっかけって凄く大事で、例えば俺はビートルズが好きになったのがきっかけで、ジョンレノンが好きになってそのピープルツリーでオアシスにいたりポールウェラーが好きになったり、そのジョンが好きだって言うアーティスト、ボブディランやマーヴィンゲイを聴いてみたりって広がっていく訳じゃない」
久「ちょっと納得。そういうのってすごくあるよ!」
永「だからある意味、俺の目次としてとらえてもらってもいいぐらいだよね。ほんとは七枚組にしたいくらいだよ」
久「それ今まで出たアルバム全部じゃん!全部買えってこと!商売上手だなぁ」
永「俺アーティストでもあり青年実業家でもあるから!」
二〇〇三年三月二十一日
第4ラウンド(4/29=みどりの日)
俺たち十年後はプレミアだからさ(本文より)
今回よりレイアウトが一新され、よりパワーアップ。
しかし、それとは裏腹に二人のテンポはいつになくギクシャク。
せっかくの〈みどりの日〉の収録にもかかわらず、当日はあいにくの雨。
それも影響しているのかは、真か……。
そんな雲行きの怪しさをも含めた今回の永久対談。
はたして、次回はあるのだろうか!どうなる永久対談!!
今回のリング:FBI
最寄りの駅はJR新大久保駅だが、この店に行く場合は新宿より徒歩で、歌舞伎町を抜けていくルートを勧めたい。そちらの方が雰囲気がでる。
〈大久保の海の家〉を名乗っているだけあって、店内のスペースは実に解放的で、もちろんオープンエアもあり。
学人はエビスビール、久保はハイネケンビールをきまってオーダーする、というよりも店員のケイコちゃんかママが「いつものねっ」と確認にくるが定番。基本的にメニューにはずれはないが、ピクルスは
美味。
永澤学人が率いる虎福インターナショナルのメンバーがけっこう利用しているが、はじめは永澤自身が酔っぱらって、偶然フラリと入った店とい
うことを知っている人は少ないはず
まっ、死んでから
受け入れられてもいいけどね
学人(以下 永)「♪鏡に映る我が顔に グラスをむけて乾〜杯〜」
久保(以下 久)「おっ、その曲裕次郎(注1)じゃない?なかなかシャレた曲知ってるじゃない!」
永「だって俺、ネクスト裕次郎に応募しようと思ってたからね、年齢制限さえなければ……」
久「じゃあ、今夜の乾杯はビールじゃなくてオロナミンCにしとく?年齢の話がでたところで、最近誕生日を迎えたみたいだけど、二十九歳の抱負なんか聞いといたほうがイイ?」
永「今年は二十代最後の一年だから、とにかく突っ走るよ。二十代っていうのは人生の中でもっとも貴重な十年間だと思うからさ」
久「俺、もう少しで二十代終わっちゃうんだけど?」
永「二十代にやり忘れたこと、多いんじゃないの?」
久「確かに多いかも。でも大丈夫。三十代で挽回するからさ」
永「たぶん三十代のパスポート(注2)交付されないと思うよ」
久「……。密入国か!」
久「前回はどんな内容に触れたんだっけ?」
永「二月に演った〈永澤学人 春の陣〉についてと……」
久「そうそう」
永「それで次回は七月六日(注3)なんだけど、前回の反省も含めて、よりバンドっぽいサウンドを聴かせられるよう、余裕をもって練習に入る予定」
久「っていうか、そんなの基本だろ!そこらの中学生モンパチ(注4)コピーバンドでもやってるよ」
永「あと現在、製作の方で進行しているのは、カバーアルバム。人が創ったモノを歌うことによって新しい自分が見えてくるみたいな」
久「へぇーっ」
永「新鮮で、今、凄く楽しいよ」
久「カバーアルバムもいいけど、オリジナルは?もしかしてネタ切れ?」
永「ちょっと、人の話は最後まで聞いてほしいね。秋にはオリジナルアルバムを創る予定だから、そっちの方も、頭にはイメージしてるって感じだねっ」
久「そんなにいろいろ考えてて、頭の中忙しいんじゃない。エロいこと考える隙間もなさそうじゃん?」
永「大丈夫。左脳の方はサトエリ(注5)で一杯だから」
久「俺の右脳と一緒じゃない?」
永「まっ話を戻して、その秋に発表するアルバムをふまえて、十二月に ライヴをする予定」
久「うっ。なんか内容が読めてきたよ」
永「っていうと?」
久「そのライヴでアルバム完全演奏とかしようとしてるでしょ」
永「おっ、するどいねぇ。そのとおり。まっ予定だけど、できれば演りたいとは思ってるよ」
久「まっ、やらないと三十代のパスポート貰えないと思ったほうがいいよ」
永「なんか偉そうだな!お前、乙葉ファン(注6)だってこと、ばらすぞ」
久「お前こそ、MEGUMIファン(注7)だろ!」
永「俺、二十九になったからMEGUMIファン引退、じゃなく卒業(注8)するわっ」
久「そうじゃないとパスポート貰えないよ」
永「大丈夫。永久対談の〈永〉の字は、矢沢永吉(注9)の〈永〉でもあるからさ」
久「なに、わけのわかんないこと言ってるんだよ」
永「そもそも二十代にがんばっとかないと、三十代のパスポート貰えないよって言ってたのは永ちゃんだからさ」
久「そうか!別にそれでもいいけど、じゃ永久対談の〈久〉の字は、俺じゃないとしたら誰になんの」
永「久本雅美とか久米宏ぐらいでいいんじゃない。(本人このコメントにかなりウケてました)」
久「それなら俺で十分だなっ」
永「クックックックック(まだ一人でウケてました)」
久「じゃ、この場を借りて俺から二十九歳の先輩としてアドバイスすると、今のウチに三十代を イメージすることができるかどうかだね」
永「俺、その点は大丈夫。毎日ブルーワーカーで鍛えてるから」
久「俺の話と全然関係無いような気がするんだけど……」
永「まっ冗談はさておき、その点はメートル大丈夫だよ」
久「じゃどんな感じイメージもってんの?」
永「いろいろあるけど、例えば音楽についていえば、ある程度の年齢で(まっそれが三十代になるんだけど)認められて、それからみんなさかのぼって昔の俺の音源聴いて、〈こいつ、こんな音楽のスタイル歩んできたんだなあ〉って思われる……、そう、なんていうか、今まで作ってきた音源がお宝になるぐらいな……」
久「リスナーってけっこう好きになっちゃうと、その人を知りたくなるからね。っていうか生活の中で当たり前のことなのかもしれないけど」
永「だから今は、そうなったときの為にも、それなりな音源を残すようにはしたいね。その人が、永澤学人の源流にたどり着いた時、さらにアッと言わせるためにもね」
久「その途中、汚染されてないことを祈るよ」
永「やめてよ。川の途中に怪しい工場とか建てるの!」
久「しないっつーの」
永「まっ、死んでから受け入れられてもいいけどね」
久「ちょっと、発言が過激すぎない?」
永「要するに足跡っていうか、軌跡みたいなもんかなっ。そういう意味でも、創る作品創る作品、毎回最高傑作って言えてるんだろうね、自分でも」
久「その手の話してる時は、いつもイイ顔してるよねぇ」
永「そう、音楽に限らずこの〈永久対談〉の企画も常に最高傑作でいきたいからさ」
久「そう、俺たち何年か後は〈お宝ボーイズ〉になってるかもよ」
永「もっと言えば、そうだな何年後とは言わず、少なくても十年後には俺たちプレミアだから!いやホントそうだと思うよ。俺の昔からの音源持ってる人は、現時点で俺のアルバムとか千円とか二千円とか出して買ってくれてる人が、何年後かにプレミアついて一万円とかになってたりしたら、もしかしてそれ、最高のステータスかもよ」
久「それで中古レコード屋にに売られたりしたら、ショックだろうな」
永「いや、そんなのメートルケーオッだよ。そのためにも、俺自身が踏んばらないといけないっていう感じ?」
久「自分にしてみれば、いいプレッシャーになっていいかもね」
永「〈昔、学人がこんなことやってたとか……〉みたいな会話が自然に出てくると思うけどね」
久「〈アー・ユー・マングリー?〉(注10)知ってる?とか」
永「それ狡助のネタじゃない?」
久「そういうことも含めて、幅を広げていくのが三十代なのかもしれないね」
永「毎年毎年、今年は充実していたとは言っているけど、確かにそれのことに違いはないけどね」
久「学人ムーヴメント、虎福インターナショナルにとらわれず、永澤学人本人の充実の幅をどんどん広げていくことだね」
永「自分が楽しいのが一番っていう気持は常にあるから、広がっていくこと間違いなしだけどね。逆に聞くけど、それについてこれないんじゃないの、お前?」
久「心配ご無用だよ」
永「最近、呑んだ次の日の朝、胃が痛いって言ってたのは、どこのどいつだよ!三十代のパスポート貰えなくなるよ?」
久「逆に、そういう時期もないと(注11)パスポート貰えないからね」
永「そうだね。そういう軌跡をいくつ創ったかっていうのが、パスポートになるんだよ。そういう意味で、やっぱお前貰えないかもよ」
久「貰えないんだったら、もう一杯呑んでやる。すいませ〜ん。ハイネケン一つ!」
永「俺もエビス一つ!!」
俺たち倦怠期って
言われちゃうよ
永「……」
久「……」
永「……。何か他に話すことないの?」
久「お前こそなんかないの?」
永「そんなこと言ってると、俺たち倦怠期って言われちゃうよ」
久「……っていうか、毎日のように呑んでる(注12)と話すこともなくなってくっつの」
永「えっ、もしかして4ラウンドでもう息切れかよ。タオル投入は許されないよ」
久「大丈夫。俺のセコンド鶴太郎(注13)だから」
永「まっ俺は引き出しいっぱいあるからさ、なんでもこいなんだけど」
久「まっせっかくこんなスペースがあるんだから、番外編としていろんな企画はやりたいとは思ってるけどね」
永「たとえば?俺が美女と対談するとか?」
久「……、やりたきゃやれば。いろんな人集めて〈ここがヘンだよ学人〉的なヤツとか」
永「おいおい、俺のバッシング大会かよ。まっ俺はバッシングされるようなところないけどね」
久「そんなところがバッシングの対照だと思うんだけど」
永「でも、その企画イイかもしれないね。世の中にはさ、自分のこと話したがってるヤツいっぱいいると思うよね」
久「まっ君の場合、話過ぎだけどね」
永「そんな奴らに、このスペースを利用してもらいたいよ。こっちはくるもの拒まずだからさ。老若男女問わず、せっかくの企画だから、目に止まった人はこのペーパーに書いてあるアドレス(注14)にどんどんアクセスしてくれるなりして、どんどん参加してほしいね」
久「あと、これの内容、私事ウチワネタが多くて、わかりにくいってもっぱらの評判なんだけど……」
永「ちょっと、待ってよ。それぐらいじゃないと、永久対談とは言わないよ。言うならば、対談界の無我(注15)目指してるんだから」
久「ハッハッハッハッ!いいね、その表現。相手の会話を切り返し、切り返しで……」
永「モンキーフリップ、モンキーフリップ(注16)みたいな」
久「俺たち、いつもこんな与太話してるけど、俺たちの対談って言うのは〈真の男とは何か?〉について語り合うはずだったと思ったんだけど?」
永「そうだね。要するに……」
久「ちょっと待った。この続きは来月にしない?」
永「次回は五月五日〈こどもの日〉に収録する予定だから、男について語るなんてちょうどイイかもしれないなぁ。ところで今日は何の日だっけ?」
久「今日は〈みどりの日〉だけど……」
永「なんか存在感ない日だなぁ」
久「地味っちゃ地味だね……」
永「……」
久「……」
永「……、他に話すことないの?」
久「……、ないかも……」
二〇〇三年四月二十九日
第5ラウンド(5月5日=子供の日)
世界最高は虎福が決めるから……(本文より)
憧れる男、目指す男、そして二人がたどり着いた究極の漢とは!!男の節句だけにに
大張り切りのご両人。それぞれの男観を存分に語ってくれてます。
今回のリング:DADDYS
下北沢の隠れた名所「一番街」から少し入ったところにあるダイニングバー。
ライブハウス「ガレージ」上にありライブ後の打ち上げによく使われている。
本文にもあるが学人狡助時代の打ち上げ御用達店。
ヒゲのマスターの人情がたっぷり詰まった料理は絶品。
特に突き出しのアボガドは名物料理となっている。
その名もズバリ「ダディーズ」という焼酎が新入荷していた。
狡助解散ライブ後、久しぶりに訪れた学人にマスターも感極まっていた御様子。
永澤(以下 永)「遂に来たね下北!やっぱ蕎麦の後のビールって旨いなあ」(注1)
久保(以下 久)「オイお前なに勝手に飲んでんだよ!それに蕎麦って飲んだ後に軽く食べるものなんじゃないのか?掴みが肝心なんだからちゃんとしろよ!」(注2)
永「そんなに目くじら立てるなって。いちいちこまかい事ばっかり言ってるとまた中卒って言われるぞ。毎回毎回乾杯ばっかりしてられるか?俺だってたまには一人静かに飲みたいことだってあるんだぜ」
久「だったら誘うなよ……しかも毎晩毎晩……」(注3)
永「そういわれてみるとホント俺たち毎晩のように飲んでるな。そんなに俺のこと好き?」
久「だから俺が好きなのは根本はるみだってば!しかし前回の対談からインターバルが短いなあ」
永「毎月祝日にやるってのがルールになってるんだから仕方ないじゃん。(注4)それにどうせお前いつでも暇してるんだろ」
久「うるさいよ!」
永「ところで今回のテーマって何だっけか?」
久「男の節句にちなんで俺たちが選ぶ男の中の男についてでしょ。前回触れてるじゃん」
永「ああMOMね」(注5)
久「テーマがテーマだけに本気で行くからね。茶化さないでよ」
永「任せとけって!バンバン振ってきて」
久「じゃあさ学人にとって男ってなに?」
永「オッとイキナリか、やっぱ深さかな?」
久「何、毛深さ?それタートルボーイの事?」
永「それ胸毛だろ!確かに胸毛はケツアゴと共に男のシンボルだけどそう意味じゃなくて人間としての深さだよ!」
久「あ、そう。他には?」
永「やんちゃな気持ち忘れないって事かな」
久「何、長渕??学人のルーツ??」
永「……。まあ、身体鍛えるって事もある意味男ではあるけどさ。なんかこう、少年のハートをいつまでも忘れないっていうかさ」
久「路地裏の少年?浜省?これまたルーツ??」
永「……。でもさ、ガキっぽいとか大人げないって言う事じゃないんだよね??例えばゲームばっかりしてるとか、大人買いとか、これ『以前の問題』(注6)ね。」
久「人生ゲームとかマスゲームとかダメ?」
永「ゲームの種類にもよるよ。麻雀とかトランプとかはケーオツ!まっ、人生自体がゲームみたいなもんだからな。お前なんかいつも一回休みばっかりだな」
久「お前なんか、いつも3マス戻るじゃん」
―――「ハイお待ち!」ここでマスターが空のジョッキと引き替えに久保の「ダディーズ(ロック)」と学人の「コロナビール」を持ってくる。二人の他にお客は一組。有線からピアノの調べが流れている。
久「洒落心、遊び心なんてのも大切なんじゃないかなあ」
永「お前、たまにはいい事言うじゃん。それ俺も言おうと思ってた」
久「男である故のガンバリズムっていうのは勿論必要だけどさ、洒落っていう遊び心を併せ持ってこそ男なんじゃない。これを余裕って言うんだろうけど」
永「チャーミー(注7)の決まり文句でもあるしね。やっぱり『遊びで転がす』っていうノリもないと息苦しくなっちゃうよな」
久「お前はいつも遊んでばっかりだぞ……」
永「分かってなよなあ。そのバランスというか、紙一重なんだぞその塩梅が!修三も一茂もそうだろ?」
久「確かにお前紙一重だわ……」
永「男である以上仕事は出来て当然だな。さだも歌ってるじゃん『仕事も〜出来ない男に……』って」
久「でも俺、さだには魅力感じないけど」
永「確かにお前は千春派だもんな。北海道だし」
久「ちょっと待って!俺生まれは仙台だし、親がリタイヤして札幌に住んでるだけなんだけど……」
永「分かっちゃいなねえな。お袋がいるところそれが故郷なんだよ」
久「はいはい・・・」
仕事+遊び心=男
久「男、仕事ときたわけだけど……」
永「次は当然『ユニフォーム』です!!作業服って言う意味じゃなくて身だしなみって言う事ね」
久「外見で人を判断してはいけないっていうけど、やっぱ第一印象って肝心だよね」
永「俺、職業柄(注8)背広姿の男性ってよく目に入るけど背広ってさ、みんな同じように見えてそれぞれ違うんだよね。生き様だからさ、ソコントコフマエテみんなも自分のスタイルもって欲しいわけ」
久「ちょっと営業トーク入ってない??」
永「まあね、ビジネスマンだから。でも本音を言えば男は裸一貫でも勝負できなくちゃいけないわけだからね、白いシャツにコロン叩いただけでも良いわけ。それで様になれれば最高!」
久「でもメイクを極める必要はないよね……」
永「男を誘ってもNGです!!」
久「あれ、俺たちの他に客がいなくなってるよ」
永「ホントだ。これからが本番だってのにな」
久「つーか誰も聞いてないけど……」
永「ここ(下北)ってやっぱ落ち着くよなあ、やっぱさ狡助時代がそうだけど吉祥寺で始まって下北で育ったようなものだからさ」
久「男を磨いたってわけ?」
永「久しぶりにきてまた自分を見つめ直せたというか、色んな事思い出したっていうかね」
久「自分ときちんと向き合えるってのも大切だよね」
永「そう、自分と正面から向き合えて初めて相手も受け入れられると思うんだ。それも余裕だしね。それが出来ない奴って弱虫だよ」
久「若さとかこだわりとかにしがみついてる人って見苦しいとこあったりするもんね」
永「年相応って言葉もあるしさ。チャンピオンってのはそういうものじゃん。自分の限界を知りながら相手の技を受けつつ最後は魅せるじゃん」
久「谷村?」
永「有美でもないよ」
久「そういった流れからいうとMOMルールって凄いよね。男を計る尺度として」
永「だからいったじゃん『世界最高は虎福が決める』って」
久「じゃあさ、学人が認める男って例えば誰?」
永「そうだなあ一人に絞るとなると難しいなあ……。お前がどうなのよ?」
久「うーん確かに……。それじゃあお互いが認める男達ってのをジャンル別にあげてみない?」
永「なるほど、面白いかも」
ここでそれぞれが各界の男を選出し団体戦として対決させてみることに。
〈熱唱部門〉
【学人】矢沢永吉 【久保】北島三郎
久「結構かぶるかと思ったら何とか上手くいったね」
永「うーーん、俺の最強メンバーにも勝とも劣らないな。サブちゃんがいたか……確かに永ちゃんが日本のエルビスであるならば、サブちゃんはJB(注9)ともいえるしなァ」
久「演歌ってソウルだからね。民謡がブルースかな。学人もさ、自称ソウルシンガーなんだから新宿コマでやるしかないんじゃない!」
永「おう、武道館も良いけどコマ(注10)っていうのもありかもな」
久「二部構成(注11)にしてさ、勿論前半は芝居ね!後半は着物に着替えて『学人大いに歌う』みたいなさ」
永「それ良いな。早速明日パンチでもあてるかな」
〈演芸部門〉
【学人】志村けん 【久保】横山やすし
久「お笑い部門は東西対決だね」
永「おれさ、芸人ってのは自分で芸出来てナンボだと思うわけ。最近のお笑いの連中ってさ、素人いじって笑いとって、客に媚びてるのが多いじゃない。その点けん氏は十分面白いよね。それにドリフに入るいきさつとか結構ぐっと来たから(注12)」
久「俺は最近『天才横山やすし』って本読んで、これがまた良いの。やっさんにはやんちゃなスパイスがざくざくでね」
永「呑む、打つ、買う、みたいなこれぞまさに芸人!な匂いがする人だよね。間違いなく男だよ」
久「そんなこと言うなら、お前ミュージシャンってより、なんかもう芸人よりだな」
永「そうかな、テヘッ〈ちょっと舌をペロリと出す〉」
久「そんなとこのこと言ってんだけど!」
〈躍動部門〉
【学人】アントニオ猪木 【久保】長嶋茂雄
久「スポーツ部門。やっぱり学人はこう来ると思ったんでこっちはミスター(注13)しかいないと」
永「このお二人には誰も何も言えないだろうな。まさに紙一重!そして憎めないキャラクター。永久欠番な人達だからな。プロレスと野球は俺たちにとっても永遠のテーマなわけだし」
久「おいおい、お前は球技はサッカー派だろ?ベガルタのフーリガンって言ってたじゃん」
永「勿論ベガルタ命だけど、俺少年野球もやってたんだけど、知らないの??」
久「知ってる。向山フェニックスだろ?おれ南小泉メッツのレギュラーだもん」
永「ベンチでよ、こう選手達の動きをみながら指示を出したり檄を飛ばすわけさ」
久「それ補欠って事じゃん」
〈漫画部門〉
【学人】デューク東郷 【久保】江田島平八
永「マンガの主人公っていうと難しいけどやっぱゴルゴかなハードボイルド代表として」
久「え、ギャグ代表じゃなくて?そっか学人のもみあげってゴルゴ意識してたんだ」
永「あながちね。ゴルゴの着る白いスーツ姿(注14)なんて痺れるね」
久「俺は難しかったけど塾長にした。応援団(注15)やってたこともあるし」
永「だったらどおくまん(注16)にしろよ」
久「次点としてはキン肉マンソルジャーかな」
永「アタル兄さんか。兄さんといえばキャスパル兄さんもいるな」
久「シャアといえば学人だったよな」
永「うん、俺、今でもアズナブルのフォロワー(注17)だからさ。俺の次点はブラックジャック(注18)かな。やっぱりハードボイルド代表として」
久「え、アゴなしゲンじゃなくて?」
〈俳優部門〉
【学人】菅原文太 【久保】石原裕次郎
永「裕チャンできた……。俺も考えたけどね。でもやっぱり宮城県ということと角刈り上等ってことで文太の兄貴にしました。ワッパを転がす姿も様になってるしね。お前は北海道だから裕ちゃんか?」
久「スクリーンにこだわった俳優って事で裕ちゃんでしょう。角刈り好きなら渡哲也でも良いんじゃないのか?」
永「彼ももみあげ上等だし、Z乗ってるし(注19)男だけどね。トレンチコートも似合うしな」
久「裕次郎記念館があるから、文太記念館っていうか仁義なき関係のなんかあってもイイと思うんだけど」
永「そんなの俺がガッチリ造っちゃっても イイ勢いだけどねっ、宮城県に!!」
久「でも仁義がらみだと、広島(注20)に造らないとやばいんじゃない」
永「じゃあ、トラック野郎記念館っていうのは?虎福だけにトラック!」
久「なんか時々、俺はお前と呑んでる時間が無駄に感じる理由が、なんとなくわかったよ」
永「って、明日も誘いの電話かけてくるなよ。オーッス」
久「それはわからんぞっ!〈笑〉」
二〇〇三年五月五日 こどもの日
注釈〈という名のウンチク〉コーナー
注1 ▼最近はそば屋で呑むのがお気に入りの両氏。今回も駅前のそば屋で引っかけてから登場。
注2 ▼ルー大柴の十八番の台詞。ちなみに久保はお笑い部門の次点に彼をあげたていた。
注3 ▼週に五日は呑んでるという噂。
注4 ▼前回の対談がみどりの日の四月二十九日。今回が子供の日の五月五日。六日しか経っていない。
注5 ▼Man Of Men 「男の中の男」を見極める公式ルール。(詳しくは虎福インターナショナルホームページ参照)
注6 ▼「それ以前の問題」のこと。学人のワードにはこうして最初の言葉を省略したものが良く見受けられる。
注7 ▼二人が敬愛するパンクロッカー。同郷出身ということもありかなり熱を上げ
注8 ▼永澤は昼間はテーラーに勤務している。
注9 ▼もちろんジェームスブラウンのこと。久保は最近、彼のアナログ盤を買いあさっているとのこと。
注10▼新宿コマ劇場のこと。正式には株式会社コマスタジアム。姉妹劇場として大阪に梅田コマ劇場がある。
注11▼コマの歌謡ショーは基本的にこの構成で行われている。
注12▼志村けん氏はかなりのレコードコレクターらしい。特にかなりのソウル好きらしく、ヒゲダンスの曲も彼が選曲したとか。
注13▼虎福でいえば、この人永澤学人のことかなっ。
注14▼久保があげる世界三大白スーツ似合う男は、@ジョンレノンA矢沢永吉B田島貴男らしい。
注15▼久保が応援団で副団長を務めていた頃、永澤は同じ高校の生徒会副会長だった。
注16▼もちろん代表作は〈嗚呼!花の応援団〉。久保は〈名門!多古西応援団〉は愛読していたが、〈嗚呼!花の……〉はあまりに下品すぎて好んでいない。
注17▼永澤はシャアが操縦していたモビルスーツのプラモデルをかなりな数をコレクションしていた。なかでもジオングが大のお気に入り。
注18▼もちろん両氏とも全巻所有。特に永澤は、かなりの手塚マニアで、その他の手塚作品も多数を所有している。
注19▼日産フェアレディZのこと。渡哲也は歴史的刑事ドラマ〈西部警察〉で乗り回していることはあまりにも有名。ちなみに将来所有したい車の車種として、永澤はセンチュリー、久保がフィアット500をあげている。二人の性格の違いが如実に感じられる。
注20▼〈仁義なき戦い〉の舞台は基本的に広島である。ちなみに〈トラック野郎〉は久保に言わせると「これぞ、ジャパニーズ ロードムービーだよ」らしい。
第6ラウンド
青春っていうかせつなさセンチメンタルさを感じるなぁ(本文より)
国民休日に行われるはずのこの対談。しかし、六月にはそれがない。
そんな中の月末強行突破。急遽二人が決めた6/26は名付けて
「センチメンタル(哀愁)記念日」
この日はスリムジーンズに白Tシャツ着用が義務づけられるという。
今回のリング:ラーメン森林
前出の「春夏秋冬」が無期限の改装休業へ入ったために最近の御用達店となっている。
ビールのアテとして絶品なのが「砂肝」これが旨い。
学人が昼の出前で毎日のように利用していることも有名。
久保(以下 久)「ちょっと……急に電話かけきて、なんか急用でもあんの!俺、けっこう忙しいんだけど……」
永澤(以下 永)「まっ、いいから座んなよ。すいません、瓶ビール一本にグラス二つ!」
久「それはいいから、何?」
永「ほら、今月国民休日がないじゃん」
久「だから?」
永「ってことは、永久対談がないってことじゃない」
久「まっ、そういうことになるねぇ」
永「それって俺ららしくないんじゃない」
久「いまいち話の内容が把握できないんだけど」
永「全く、この中卒野郎が!要するに、永久対談を毎月愛読してくれてるオーディエンスに申し訳ないを思わないの?」
久「そんなヤツいるの?っていうか、そんなヤツ逆に怖い気がするんだけど・・・」
永「(久保の言うことに全く耳を傾けずに)そうなるといくら国民休日がない月でも、やるしかないでしょ、この企画!」
久「まっ、そう言われてみればそうかな」
永「そうでしょ。じゃ早速はじめちゃう?」
久「っていうか、実はただ呑みたいだけなんじゃないの?しかも、もう日付変わって十二時半なんだけど。よい子はもうとっくに寝てるよ」
永「俺達、アフター5じゃなくて、アフター0(ゼロ)が基本だから(要は深夜十二時から呑んでること)。そこんとこふまえてレッツ!」
久「そこまで言うんだったら、なんか話したいコトでもあるの?」
永「お前にとってのグッとくる音楽ってなに?」
久「ちょっと、コップ一杯で酔っぱらったわけ?」
永「ちょっと、茶化さないでよ」
久「っていうか。そんなコト急に言われてもねぇ。グッとっていっても、なに思い出とか?」
永「なんかあるじゃん、青春時代によく聴いたとか!ハッキリしないヤツだなあ!」
久「真夜中に呼び出されて、俺なんかわざわざ怒られにきたみたいなんだけど……」
永「そこんとこふまえて、なんかこう青春って言うか、男がグッとくる音楽書いてるヤツっていえば」
久「……うーん、ピンと浮かぶのは、尾崎豊かな」
永「おっ、いい線できてるんじゃない」
久「んで、尾崎が出てくると必然的に思い浮かぶのが……」
永「浜田省吾とか佐野元春!」
久「そうだね。青春時代っていうか、学生の頃、まっ浜省はあれだけど、尾崎と元春はけっこう聴いたクチだからね」
永「俺もそう。なんかちょっとした共通項でつながってるんだよね」
久「女性アーティストにもけっこうあるよね」
永「そう。男でいうところの尾崎、浜省元春でくれば、女でいうところの例えば……ユーミンと中島みゆきと……」
久「竹内まりやとか」
永「そうそう。あと渡辺美里とか」
久「あっ俺、渡辺美里と同じ誕生日だよ」
永「えっ、美里真里?」
久「それ、自分が別な意味で青春時代にお世話になった人じゃないの?」
永「俺、どっちかっていうと白石ひとみ派だったかな」
久「(ちょっとあきれて)ドリカムとかもそうなんじない。けっこう自分に置き換えて聴いてる人多そうだよ」
永「そんな感じで、男が自分に置き換えて聴いてるのって、その三人だと思うんだけど」
久「なんとなく納得。でも、俺が思うに、なんか青春っていうよりは〈切なさ〉っていうか〈センチメンタル〉さを感じるな」
永「例えば?どういうところに?」
久「そうだな。元春は歌詞とかに出てくるし、浜省は曲名に出てくるし、そうだなぁ尾崎は……そうだ〈センチなため息を〉だからやっぱり歌詞に出てくるか」
永「そういえば、話変わるけど女・尾崎みたいなヤツいたよね」
久「それ橘いずみのこと」
永「そうそう」
久「そんなかんじでいけば、女・浜省は?」
永「トムキャットかなっ!」
久「それサングラスかけてるだけじゃないの!」
永「お前の尾崎の思い出って何?やっぱりルーツはお前の兄貴が尾崎Tシャツ着てたこととか」
久「たしかにウチの兄貴はかなりな線でフリークだけどTシャツは着てなかったなあ。白Tシャツの袖はかなりまくってたけど。真面目な話、バンドのコンテスト出たときに他のバンドが演奏してるの見て、いい曲だなと思ったら、それが〈十七歳の地図〉だったのが、はじめて尾崎に触れた時かな。自分は?姉貴がモミアゲ長いとか」
永「それ飛んだ尾崎違いだよ。ちなみにうしろ髪は長かったかも。俺は〈夜のヒットスタジオ〉に出た時の〈太陽の破片〉を観たのと、その時出たアルバム〈街路樹〉を聴いて、ああっいい曲だなと思ったのがはじめかな」
久「しかし、しぶいアルバムから入っていったねぇ。普通十代三部作から入るもんだけどねぇ」
永「尾崎の中で好きな曲は?」
久「どれをって聞かれるといろいろなるからなあっ。いまだったら〈ダンスホール〉かな、生きてるときに最後に歌った曲ってことで。自分は?」
永「俺は衝撃で言えば〈核(コア)〉かな」
久「〈核〉のカップリング〈街角の風の中〉も隠れた名曲だと思うね。最後の口笛なんて最高にイイ」
永「それで好きとなるとやっぱり〈誕生〉かな。最後の語りが最高にイイんだよ。
新しく生まれてくるものよ
おまえは間違ってはいない
誰も一人にはなりたくないんだ
それが人生だ 分かるか
ってところね。張り上げて歌うところもあるんだけど、その最後の語りかけている声がとっても優しいんだよねえ。それで俺も語りの曲創ったぐらいだからね。〈守るべきもの〉っていう」
久「なにさりげなく、自分の曲の宣伝してんの。いやらしい。毎晩いやらしいサイトばっかり観てんじゃないの?」
永「尾崎の胸キュンな青春の部分もイイんだけど、あのアルバム〈誕生〉、尾崎が若者の代弁者から、反抗しょうとしてた大人達の年齢に自分もなってしまったっていう葛藤その中で自分は、大人でもなく子供でもないっていう揺れ動く心境から書いた曲、それがあの〈誕生〉なんだよ。そうやって大人になりかける前に、星になってしまったんだけど、そこが尾崎の運命だったのかもしれないね」
久「俺が〈誕生〉でピンとくるのは、オリジナルアルバムの二枚組ですべて新曲だったってことかな。当時の尾崎のやる気っていうか自信がすごく感じられたね。ノッてるアーティストっていうのは二枚組も出すし、アルバム、アルバムのターンも短いよね」
永「そんな尾崎の流れで浜省も聴くようになるんだけど、俺ははじめて聴いたのが〈もうひとつの土曜日〉かな。とにかくクサいんだけど、それがプロレスっぽいっていうか男の王道を歌ってるんだよねぇ」
久「俺は浜省聴くと情景が浮かぶんだよね。小説っぽいっていうか、マンガに描けそうな歌詞っていうか。浜省は曲っていうより歌詞だねぇ」
永「浜省の曲はどっか寅さんぽいんだよね」
久「そこが元春との違いかもね。結構、浜省と元春同じくくりにしてる人多いけど、元春のほうがモダンっていうかスタイリシュっていうか……。好きなミュージシャンも多いしね。“俺、浜省に憧れてこの世界に”って人あんまいないでしょ」
永「よし、俺が浜省のフォロワーとしてデビューしてやるよ」
久「えっ、爆弾発言じゃない。それ、オフィシャルなコメントとして聞いていいの?」
永「とりあえず、タレ目のレイバンとネルシャツ着ておけばバッチリでしょ。ギターもテレキャスにしてさ」
久「バンダナは?」
永「巻いてもいいけど、長渕のフォロワーと勘違いされたら困るからさ」
久「それ世良正則の間違いじゃないの?」
永「そんなこと言いつつも自分も最近バンドに力入れてるらしいじゃん」
久「まあね。っていっても、俺の場合は凄くそれで飯を喰いたいとか、音楽漬けの毎日を送るとかそんな感覚があんまりないんだよね。そう、楽しければイイってのが強いかな。出会い系みたいな感じで」
永「何だ出会い系って・・・」
久「テクニックとかに走るよりも、ただ純粋に音楽が好きっていうか……言いきっちやうと一生誰とでもいいからバンドは組んでいたいね」
永「プロレスラーでいうとお前、アキラっぽいなあっ」
久「その、本腰入れてなくても、その音楽をできることの幸せ……俺、それをすごく最近感じてるんだよね」
永「なんだ。お前と俺、けっこう音楽観似てるみたいじゃん。俺とバンド組むか?」
そんな感じで水無月の夜は更けていった……。
二〇〇三年六月二十六日
おことわり--今回は紙面の関係上注釈がございません。